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国際バカロレア・ディプロマプログラム(IBDP)って何?

Q1. IBDPって何? どんなカリキュラムで学ぶの?

A. スイスに本部を置く国際バカロレア機構が提供する国際的な教育プログラム、IB(International Baccalaureate)。「世界の複雑さを理解し、未来へ責任のある行動を取るための態度とスキルを身に付けさせること」を目的にしています。

プログラムは対象年齢別に下記の3つがあります。

❶3~12歳が対象…PYP(Primary Years Programme)

❷11~16歳はM Y P(Middle Years Programme)

❸16~19歳(日本の高2・高3)…DP(Diploma Programme)

また、IBDPのカリキュラムは次の6グループに分かれています。

❶言語と文字(母語)

❷言語習得(外国語)

❸個人と社会

❹理科

❺数学

❻芸術

ここから原則として1科目ずつ、合計6科目を選択します(各グループで開講されている科目は学校によって異なります)。

これらに加え、必須として「EE(Extend Essay)」、知識の本質を探究する「TOK(Theory of Knowledge)」、ボランティアなどを行う「CAS(Creativity/Action/Service)」という科目の履修も定められています。

Q2. 日本はどこで学べる?

A. 選択肢は2つ。学校教育法で定められた日本の高校(一条校)と、インターナショナルスクールです。

一条校では、日本語や英語でDPを学びながら文部科学省による教育も受けられるため日本の高校卒業資格が取得可能。日本国内の大学志望や、日本の教育も経験したい子に向いています。また生徒たちの英語の習熟度に幅があり、自分と同じ習熟度の人と学べる機会が得やすいという安心感もあります。

ただし、2つのカリキュラムを学ぶために授業数が多くなることや、開講科目数が少なかったり指導体制が確立していなかったりする学校もあることに留意が必要です。

インターナショナルスクールでは、公用語が英語のため日常的に英語力が磨かれて英語のDPに取り組みやすくなります。また多国籍な環境も国際的なカリキュラムを学ぶ上で利点です。

注意すべき点は、学校によってはIBDP(Q3参照)を取得できなかった場合に、日本の大学入学資格が得られない可能性があることです。そのため日本の大学への進学を検討している場合は、事前に各校に相談することをおすすめします。

Q3. IBDPの取得で日本の大学にも行けるの?

A. DPのカリキュラムをすべて履修し、内部 入試概要 導入大学評価(担当教員に評価されるレポート課題やプレゼンテーション)や外部評価(統一試験)を通じて45点満点中24点以上を取得すると、「IBディプロマ資格(IBDP)」を得られます。

IBDPを取得するとアメリカやイギリスなど世界100カ国以上もの大学への入学資格が得られますが日本でも、取得者を対象とした入学枠を設ける大学(学部・学科)が増えています。

IBDP取得者を受け入れている大学(過年度・例)

入試概要 導入大学
バカロレア入試 金沢大学/筑波大学/東京医科歯科大学/広島大学/岡山大学/長崎大学/鹿児島大学/横浜市立大学/大阪市立大学/慶應義塾大学/順天堂大学/玉川大学/東洋大学/法政大学/愛知医科大学/関西学院大学
帰国生入試 東京大学/東京外国語大学/東京藝術大学/京都大学/学習院大学/国際基督教大学
その他
(推薦入試など)
北海道大学/お茶の水女子大学/大阪大学/名古屋大学/京都工芸繊維大学/国際基督教大学/会津大学/東京都立大学/青山学院大学/中央大学/立教大学/近畿大学/立命館大学

※最新の情報は必ず各大学(学部・学科)に問い合わせてください。

Q4. IBを利用した大学入試って、どんな内容なの?

A. 大学(学部・学科)ごとに異なりますが、DPを学ぶ中で鍛えてきた思考力やコミュニケーション力を問われることが多いです。具体的な試験内容としては、おおむね次の3つです。

❶書類審査(IBスコアの提出)

❷小論文試験

❸面接試験

書類審査(IBスコアの提出)が一次選考になっている場合も多いため、IB利用の入試を突破するために、まずはIBスコアを上げることに力を注ぐことが得策となっています。

IB生専用大学受験プラットフォーム
Univ-it!

IB生のための大学受験検索サイト(無料の会員登録が必要)。IB生を受け入れている大学別に、受験に必要な資格、試験の内容、合格ラインの点数などがチェックできます。

Q5. 主に日本語でDPを履修しても不利にならない?

A. 昨今、日本政府は日本の教育の活路をIBに見出し、国を挙げてIB認定校の増加に取り組んでいます。そしてその多くは主に日本語でDPを学ぶ日本語IB(デュアルランゲージDP=DLDP)になっています。

結論から申しあげますと、DLDPを履修しIBDPを取得しても、資格としては英語のみの履修によるものとの区別はないため、不利にはなりません。

ただし海外大学進学を考える際は、1つ知っておきたいことがあります。

海外大学では正規留学の前にファウンデーションコース(大学進学準備コース)の履修が必要となることが多いのですが、DPで「English A」という科目を履修していると、これが免除される可能性があります。しかしDLDPの場合は、この「English A」の科目を履修しません(代わりに「Japanese A」を履修)。

そのためこのメリットを享受するため、別途TOEFL®やIELTS®を受け、「English A」の履修と同等の英語力を持つことを証明する必要があります。

監修

海外子女向けオンライン家庭教師
EDUBAL