2026年春 中学入試結果速報
少子化によって全国で小学6年生の児童数が減るなかで首都圏、東海エリア、関西&中国エリアすべてで中学受験者数は増えています。
まだまだ冷めない中学受験熱において注目すべきはその中身。
特色のある学校や新設校が人気で、受験校選びにおいて「偏差値よりも我が子に合っているか」を重視している傾向が全国で散見されました。
総括を中学入試に詳しい塾・日能研にお聞きしました。

首都圏エリア
東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県
男子難関校は復調の兆し揺り戻しで一服の学校も
首都圏の中学受験者数は、53,730名で対前年比101.6%、受験率18.6%で過去最大に。男子御三家の多くで志願者数が昨年度の数を上回った(昨年度の入試では、すべての学校で志願者数が前年度の数を下回った。開成は志願者1,272名(実質倍率2.65倍)と増加。麻布は、志願者750名とほぼ前年をキープ(2.00倍)。第一志望者が多い武蔵は、志願者が539名に増加した(2.83倍)。
サンデーショックによる女子難関校の変動
2月1日が日曜日で、キリスト教系の学校が入試日を翌2日に変更。入試日を移動した女子学院は1,088名(2.87倍)を集め難化した。豊島岡女子学園は第1回入試の志願者数が減ったが合格者数も減らして2.50倍の高倍率に。前回2015年のサンデーショックとの違いは、併願校を学校の特色で選ぶ傾向が強まったこと。理系色の強い桜蔭と豊島岡女子学園、スクールカラーの似た吉祥女子と女子学院の組み合わせが人気に。
コース数や募集定員数変更進む再編で人気が変化
桐朋は1クラス人数を42→40名に、東京都市大学付属はI・II類コースの一本化で人気に。攻玉社は1・2日の定員を減らして5日の特別選抜入試(40名)を実施。募集定員を180→240名に増やした安田学園は総出願者数一位に。都立中高一貫校との併願など、幅広い支持を集めた。同じく、本格的に共学化体制に入った日本工業大学駒場は募集定員を200→240名に増やした。
青山学院の日程移動による増減と、日大系の人気
MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)系付属校の中でも人気が高い青山学院が昨年度
と違って他の大学付属校の入試日と同日になったことで、立教池袋・学習院・明治大学付属中野・中央大学附属横浜などが志願者数を減少させた。また、大学付属校でありながら他の大学も進路選択に入れやすいと評判の日本大学や日本大学第三(内部進学率5割弱)など日大系も人気が継続した。
英語・帰国生入試を行う学校が増加中
豊島岡女子学園はサンデーショックの煽りで出願者数こそ減らしたものの、昨年度から始めた算数・英語入試が人気に。また、頌栄女子学院も英語利用入試を実施、白百合学園は2月に帰国生入試を設けて募集の機会を拡大、東京女学館はケンブリッジ国際カリキュラムを導入するほか国際学級を1クラス増加、千葉の昭和学院秀英は今年から帰国生入試をスタートさせた。
共学化や大学付属校化など新設校ラッシュ
今年度は共学化・校名変更が5校、新設校が3校誕生して、いずれも人気に。男子校の日本学園は共学の明治大学付属世田谷へ。女子人気に対して男子は警戒心から実質倍率は落ち着いた。順天は北里大学附属順天へ大学付属校化。鎌倉国際文理は鎌倉女子大学附属から校名変更し共学化。渋幕メソッドを引っ提げて開校した明星institutionは、学校の思惑に近いレベルの受験生が集まった。
埼玉では栄東の難化と開智系列校の合同入試が人気
開智系列校の合同入試が人気に。開智所沢は募集定員を360名に増やし合格者が大幅に増加。開智の特待A入試は3.47倍と一昨年度並みに戻った。栄東は試験回数を1回減らしたことが話題に。また新設IIIは加点により1.82倍と人気を集めた。このほか、浦和明の星は1,103名。理系志向の受験生に人気の淑徳与野は昨年度からの揺り戻しで志願者数を減らし、医進コースの実質倍率は2.02倍に緩和した。
千葉では御三家の第一志望者層の増加
千葉入試は、つくばエクスプレス延伸、学園都市としての期待感から人口流入が発生。千葉御三家の渋谷教育幕張は第1回志願者1,999名に増えたが、近年の手続き率の高さから合格を絞り、合格者数は大幅減の649名に。昨年度から男女別合格を廃止した市川は難易度を維持した。毎年人気が高い東邦大学付属東邦の推薦入試は、今年度も40名募集の40名合格で高倍率に。
東海エリア
愛知県・岐阜県・三重県
愛知県の延べ受験者数は10年連続で増加
愛知県の小学6年生の児童数は前年比98.1%(名古屋市内の小学6年生の児童数も前年比で99.4%)と昨年の98.7%を下回ったが、愛知県の私立中学校の延べ受験者数は前年比101.7%で10年連続の増加となった(昨年度は100.6%)。これは近年の共学校人気に加えて、女子校の入試日程が変更されたことによって、女子の受験生が共学校を受験しやすくなったことが要因と考えられる。
3年連続で増加していた男子校の受験者数は高止まり
過去3年連続で男子校全体の受験者数は増加していたが、今年度は落ち着きを見せた形となった。東海の受験者数は873名で、昨年度から95名減少。同日の南山男子部の受験者数は699名で、昨年度から21名減少。名古屋の受験者数も1,476名で、昨年度から67名の減少となった。全寮制の海陽中等教育(P.184)は全日程の受験者数の合計が1,167名で、昨年度から39名の増加となった。
女子校の入試日程変更が受験者数に影響
今年度の入試は金城学院の四科・英語利用入試の日程変更によって南山女子部と同日となったため、両校ともに昨年度より受験者数が減少となった。南山女子部は実質倍率がやや低下することになったが、入試難易度に大きな変化は見られなかった。また、金城学院の日程変更によって、名古屋市内の女子校では、早い入試日程になった椙山女学園で受験者数がやや増加した。
共学校は愛知工業大学名電の受験者数がさらに増加
愛知県の共学校の中で今年度も受験者数を大幅に増加させたのは愛知工業大学名電。3回の入試で合計1,636名の受験者数となり、昨年度の1,363名から273名の増加となった。要因は、2回受験すると合否判定で優遇される入試システムをとっていることもあって2日間の受験を選択する受験生が増えていることや、女子校の日程変更や女子の受験者数の増加が影響していると考えられる。
愛知県立の中高一貫校が昨年度4校に続き4校開校
昨年度の4校(明和高校・刈谷高校・半田高校・津島高校)に続き、豊田西高校、時習館高校、西尾高校、愛知総合工科高校の4校が新たに併設型の中学校を開校することが大きな話題に。昨年度、高倍率となった明和高校附属・刈谷高校附属の2年目の選抜検査は、昨年度からの反動で、志願者数を減らしたが、募集定員が80名から70名に減ったことも影響して、依然として高倍率の選抜となった。
愛知県は県立一貫校より早い1月上旬の私立入試が増加
一昨年まで、愛知県の私立中学の入試日は土・日・祝日に限られていたが、県立一貫校の適性検査が実施されるようになったことを受け、昨年度から私立中学の入試はそれよりも早い日程に設定することが解禁された。昨年度は星城、大成の2校だけが早い日程で実施したが、今年度は清林館、聖霊、名古屋国際の3校も加わり、県立一貫校の適性検査より前に受験できる学校の選択肢が広がった。
岐阜県は隣県との日程重複が少なく、受験者数がやや増加
岐阜県全体の延べ受験者数は1,040名となり、昨年度の1,026名からやや増加した。名古屋会場を設置して、岐阜県からだけでなく愛知県からの受験生を多く集めている鶯谷の受験者数は532名。昨年度は愛知県や三重県の中学入試日程との重複の影響を受け、やや減少していたが一昨年並みに戻した。そのほか、岐阜県内の学校では岐阜東、聖マリア女学院、麗澤瑞浪の3校が受験者数を増加させている。
三重県の受験者数は特定の3校でやや増加
三重県は全体的には昨年度から受験者数が横ばいとなる学校が多いなか、鈴鹿中等教育、三重、四日市メリノール学院の3校は受験者数が増加した。愛知県からも多くの受験生を集める高田は昨年よりも4名減少し、531名となった。この理由としては、同日に愛知県で県立一貫校の1次選抜が行われていたことで、愛知県の受験生にとってはやや受験しづらい日程となっていたことが挙げられる。
関西&中国エリア
大阪府・京都府・兵庫県・滋賀県・奈良県・和歌山県・岡山県・広島県
中学受験率上昇は継続高まり続ける私学志向
近畿の2府4県(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、滋賀県)の私立中学校の受験者
数は17,850名となり、昨年度より217名増加した。小学6年生の児童数が2府4県で合計3,330名減少しているなかで、中学受験率(統一入試開始日の午前の受験者数÷近畿2府4県の小学6年生の児童数)は10.90%(昨年度は10.52%)となり、過去最高をたたき出した昨年度の数値を更新した。
総志願者数が昨年度に続き大幅(2,000名以上)に増加
受験者数の増加もあって、総志願者数は67,542名で、昨年度より2,065名増加した。これによっ
て1人あたりの出願数の平均が3.78校(昨年度は3.72校)となった。これは、午後入試の実施が定着するなかで、人気校の午後入試への参入が増えたことが影響していると思われる。受験者の動向としては、初日から2日間で3回以上受験しているケースが多く、出願数が増えても短期決戦であることは変わっていない。
高校授業料無償化の影響で大阪府で受験者数が増加
昨年度に続いて、大阪府で私立中学校の受験者数が増加している。これは、高校の授業料の完全
無償化に加え、近年のタワーマンションの建設ラッシュによる大阪市内への高所得層の流入が増えていることも要因の一つに挙げられる。大阪府以外では、兵庫県・奈良県・和歌山県でも受験者数が昨年度より増加し、一昨年の数にまで回復した。ただ、京都府は減少した昨年度並みに留まった。
全国区の灘の志願者数首都圏からは過去最多に
毎年、日本全国から受験生が集まる灘は昨年度より志願者数が50名減少した693名となり、志願者数は4年ぶりに700名を割った。実質倍率も2.43倍と落ち着き、難度はやや易化した。他の難関進学校でも同様に志願者数を大きく減らしていることから、安全志向で他校へシフトしていないのは明らか。その一方で、首都圏からの志願者数は過去最多となる188名で、関西での減少が目立つ入試となった。
難関進学校で減少傾向2027年度入試で注視
灘以外の難関進学校でも志願者数が減少した。男子校では、洛星(67名減)、大阪星光
学院(38名減)、東大寺学園(110名減)と大幅減に、女子では神戸女学院(35名減)、共学では洛南高校附属(29名減)、西大和学園(131名減)と多くの学校で減少している。この状況を「難関校離れ」と見るのかどうかは単年では判断が難しく、来年2027年度入試の動向が注目される。
期待値の高い共学校受験者数が増加
共学化や新コース制、教育改革などにより大学進学実績が上向いている共学校に人気が集
まった。前期日程でみると、大阪では開明(69名増)、箕面自由学園(33名増)となり、兵庫では
三田学園(51名増)、京都では京都橘(23名増)、奈良では帝塚山(45名増)となった。これらの学校に見られる共通点は「主体的な学びの実践」・「体験重視」・「バランスのとれた教育」が挙げられる。
「関関同立」系列校の人気は変わらず高止まり
中学受験率の上昇とともに関関同立の系列校の人気は右肩上がり。近年はその人気の高止ま
りが続いている。関関同立の系列校の統一入試初日の午前における総志願者数は横ばいで推移しており、今年度も同じ傾向となった。合否の男女比が撤廃された関西学院、昨年度の減少分を回復させた立命館、東海地区の受験生からも人気のある同志社が昨年度から志願者数を大きく増やした。
大阪教育大学附属池田の統一入試日への参入の影響
国立中学校として人気の高い大阪教育大学附属池田が今年度から統一入試初日の午前に参入したことによって、併願の筆頭となっていた雲雀丘学園の志願者数が昨年度から45名減少した。それでも一昨年の志願者数よりは多くなっており、統一入試初日の午後と3日目に変更したB入試の志願者数でも昨年度を大きく上回っていて、雲雀丘学園の人気の高さは変わっていない。







