帰国体験記2|湘南白百合学園中学校 2年生 Nさん

帰国生入試の作文対策で行った読書で日本の城好きに。各地の城をめぐり中

0歳から海外生活
アメリカ現地校では自由な校風を謳歌

生後まもなくオーストラリアのシドニーに家族とともに転居し、現地で幼稚園に通いながら5歳まで暮らしたというNさん。6歳で帰国し、公立小学校に入学するが、その数か月後の秋にアメリカ・カリフォルニア州サンディエゴへ。11歳まで現地校で学んだ

「シドニーの幼稚園では日常的に英語を話していたので、アメリカでの生活や小学校にも、違和感なくすぐに馴染めました」

学校生活で特に印象に残っているのは、スポーツフェスティバルだという。

「学校が用意してくれた巨大なトランポリンハウスのような遊具で遊んだり、ドッジボールをしたりと、それぞれが好きなスポーツや遊びを思い切り楽しむもので、勝ち負けを競うような競技はありませんでした。学校の校風自体も、とにかく自由だった記憶があります」

友人たちと先生のサポートで帰国後の慣れない学校生活を克服

再び帰国し、公立小学校に編入したのは小学6年生の4月だった。

「学校ではみんなが『アメリカってどんな国?』と興味を持ってくれて、すぐに友だちができました。とはいえ、私が時々、アメリカにいた時のくせで周りを気にせず自由な行動をしてしまい、『少しやりすぎじゃない?』と友だちに言われたこともあります。あとは、工作の授業で彫刻刀やのこぎりを使った時は、戸惑いました。それと家庭科の授業でも初めてミシンを使って戸惑ったのですが、先生や友人たちが助けてくれました」

帰国生としての中学受験を視野に、アメリカ在住時からオンラインで算数の授業を受けていた。帰国後は、個人塾で算数と作文の勉強に取り組んだ。

「アメリカの補習校で基本的な日本語は習っていたのですが、きちんとした作文を書くには語彙力が足りないと感じ、帰国後はとにかく本を読みまくりました」

もともと本好きだったNさんは、小説はもちろん、動植物の図鑑や日本の歴史の本など、さまざまな分野に興味を広げた。特に歴史に関する本は、受験に必要な高度な漢字をおぼえるのにも役立ったそうだ。

英語とイラストを使ってわかりやすく日本を世界に伝えたい

受験時にすでに英検1級を取得していたNさん。学校選びの決め手は、高度な英語の取り出し授業があることだった。帰国生入試を経て湘南白百合学園中学・高等学校に入学した。

「オールイングリッシュで行われる英語のEクラスには帰国生が多く、海外生活の思い出や雑談をするのが楽しいです。現地校に負けないくらいの量の宿題が出るので、アメリカで身に付けた英語力のキープにも役立っています」

プライベートでは、日本の城に興味津々。全国各地の城をめぐっている。

「家族で旅行するときは、親にお願いをして日本各地のさまざまな城をめぐっています。今まで行った城の中で一番興味深かったのは、静岡県にある山中城です。堀の形がワッフルのような網目模様でとにかく独特なんです。近々、学校の研修旅行で北海道の五稜郭にも行くのですが、とても楽しみです」

城の話題では目を輝かせて大人も顔負けの知識を披露してくれる一方で、動物好きと理系分野への興味から部活動は生物部。さらにイラストを描くのが得意という多才な顔を見せる。将来については模索中だが、イラストレーターの仕事に興味があるという。

「城のほかに華道や茶道など日本の文化にも興味があります。日本の歴史や文化を英語への翻訳だけでニュアンスを伝えるのは難しいですが、イラストも使えば、わかりやすくなります。文章とイラストを組み合わせて、海外の人に日本の魅力をどんどん発信していくのもいいなぁと思っています」

親への感謝

アメリカ在住時には、両親がロッキー山脈やブライスキャニオン、グランドキャニオンといった国立公園など、アメリカならではの壮大な自然を満喫できる場所や博物館に連れていってくれました。今の時代はインターネットで各地の風景やそこに住む動物を見ることができますが、わざわざ現地に足を運び、本物を見せてくれたことは本当によい経験になりました。心から感謝しています。

滞在歴

オーストラリア・シドニー0歳~5歳、現地幼稚園
アメリカ・CA州6歳~11歳(小5・3月)、現地校
日本12歳(小6・4月)~公立小→私立中

取材:2024年10月現在 / 文:本誌編集部、橘 晶子