Press "Enter" to skip to content

危険薬物、学生の4割「入手可能」

昨日は関西4大学(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)が行った「薬物に関する意識調査」の集計結果報告書をチェック。薬物の使用について、学生の9割は「どのような理由であれ、絶対に使うべきではないし、許されることではない」と当然の意見を持っているが、「1回位ならかまわない」「使うかどうかは個人の自由」と考えている学生も少数ながら存在するという現状を見た。

本日は、実際に薬物の購入や使用を勧められたり、入手できると思うかどうか、周囲に使用している人を見た経験などについてのアンケート結果を見てみよう。

薬物を「無理やり使わされたことがある」学生0.2%

実際に薬物を使用することや購入することを誘われたり、勧められたりすることがこれまでにあったかどうかを問うと、「誘われたり、勧められたことはない」という回答が93.6%で最も多いが、「購入を勧められた」「使用を誘われた」「無理やり使わされた」と回答した学生も少数ながら存在している。0%でないことが衝撃だ。

「周囲に薬物所持者、使用者がいる」学生3.2%

周囲の薬物所持者、使用者を問うと、「いない」という回答が最も多いが、「いる(いた)」との回答もあり、薬物の所持・使用の可能性が、学生の身近にあることをうかがわせる。

インターネットにより薬物の入手が容易傾向

危険薬物を入手可能と考えるかどうかを問うと、「不可能だ」「かなり難しい」という回答が多く、合計61%。しかし、「手に入る」「難しいが手に入る」という回答の合計も38.9%にのぼる。

入手可能とする理由として、80.7%の学生が「SNSやインターネットで探せば見つけることができると思うから」と回答。約1割の学生は、実際に「SNSやインターネットなどで販売されているのを見かけたことがある」という。「繁華街などの街中等で販売されていることを見聞きしたことがある」と回答した学生も2割にのぼった。

関西4大学、薬物乱用防止のための啓発活動を展開

関西4大学は2009年3月7日に薬物乱用防止に関する共同声明を発表し、「健康で充実したキャンパスライフを学生に保障するとともに、より広い視点に立ち、安全・安心の社会を実現するための教育・研究、そして社会的な活動を大学の使命ととらえ、薬物乱用防止のための恒常的・経常的かつ組織的な啓発活動を行い、広く社会に向けてその活動を展開していく」ことを宣言し、本調査を継続して行ってきた。

今年の調査においても残念ながら、ごく少数であるが、学生が薬物に接触する危険性がこれまで同様に存在していることが明らかになった。関西4大学では、この結果を真摯に受けとめ、「今後さらに慎重に検討を加え、引き続き薬物乱用防止のための教育活動を展開していく」としている。

(取材・文/大友康子)