就活の相談は“親よりAI”になってしまうかも!?

就職活動に際して大学生の生成AIの使い方は?

ここ数年、生成AIは急激なスピードで社会に普及しています。就職活動中の大学生たちは、どのくらい、どんなふうに生成AIを活用しているのでしょうか? 新卒就職支援企業の最大手である株式会社マイナビが2027 年卒業予定の全国の大学生・大学院生を対象に実施した、「マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査4月<就活生のAI利用について>」の調査結果を見てみましょう。

【マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査4月<就活生のAI利用について>】
○調査期間/2026年4月25~30日
○調査方法/マイナビ2027会員(退会者含む)にWEB DMを配信し、インターネットアンケートより回収
○調査対象/2027年3月卒業予定の全国の大学生・大学院生
○有効回答数/1258名(文系男子184名、理系男子270名、文系女子507名、理系女子297名)
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合があります。

就職活動におけるAI利用は年々急増

就職活動でAIを利用したことのある2027年卒の学生は84.9%。2024年卒の18.4%から、2025年卒は倍増、その後、毎年20pt前後と大幅に増加しています。【図1】

AIの利用方法については、「ESの推敲(71.8%)」が最も多く、次いで「面接対策(56.2%)」、「ESの作成(55%)」。【図2】

AIを利用する目的は「作業時間の短縮(54.3%)」が最多でしたが、約3割の学生が「自分だけの考えで決めるのは不安だから(28.8%)」と回答し、AI利用の背景には利便性だけではなく、自己判断への不安もみられました。【図3】

図1
図2
図3

就職活動の愚痴や不安、焦りをAIに聞いてもらう

就職活動におけるAIへの相談経験を尋ねたところ、47.6%の学生が「ある」と回答しました。【図4】

具体的な相談内容を自由回答で聞いたところ、「漠然とした将来の不安、面接がうまくいかなかったことに対する愚痴」「友人に話しづらい就活のストレスや焦りを聞いてもらう」など、就職活動に伴うストレスや不安、焦りなどをAIに聞いてもらうという意見がみられました。また、「その会社に入ることで自分の将来の夢が叶えられるのか」「スケジュールがかぶってしまい、どちらの選考を優先するべきか」など、判断に迷った際に活用する意見もみられました。【図5】

しかし、AIからの回答をどの程度参考にするかについては、「判断材料の一つとして考慮する」が68.7%で最多。すべての判断をAIに委ねるのではなく、複数ある判断材料の一つとして活用している学生が多いことがうかがえます。【図6】

図4
図5
図6

就職活動について「人に相談する代わりにAIに」

AIの普及によって「就職活動に変化が生じたか」を尋ねたところ、62.6%の学生が「変化した」と回答。【図7】

具体的な変化では、「人に相談する代わりにAIを使って検討することが増えた(25.4%)」が最多。当サイトで昨年3月に掲載した記事『ほとんどの学生が「オヤカク」「オヤオリ」希望せず(前編)』では、「6割の学生が就活について親に相談している」というアンケート結果を紹介しました。親の時代と現在の就職活動の様相がまったく異なるとしても、社会人の先輩として、就職活動についての相談を子どもから持ち掛けられるのは親冥利に尽きることでしたが、今後はAIに取って代わられてしまうのかもしれません。

また、割合としては限定的ではあるものの、「AIに代替されにくいと感じる業界・職種を中心に応募するようになった(11.4%)」「もともと志望していた業界・職種の選考を受けるのをやめた/控えた(3.4%)」といった回答もみられ、AIの普及が志望業界・職種の選択に影響を与えていることもうかがえました。【図8】

図7
図8

AIは有用だが、最終的な意思決定はあくまで自身で

調査を行ったマイナビキャリアリサーチラボ研究員・中島英里香(なかじま・えりか)氏は、調査結果について次のようにコメントしています。

「学生のAI利用率は年々高まっており、いまや就職活動における必要不可欠なパートナーとなりつつあると言えます。また、その役割も徐々に変化しているようです。これまでは、効率化や情報整理といった『道具』としての利便性を目的とした利用が中心でしたが、近年では『AIに不安を相談する』といった情緒的なサポートを求める利用もみられるようになってきました。

就職活動は、正解のない選択の連続です。そのなかでAIは有用な支援を提供する存在となっていますが、最終的な意思決定はあくまで自身で行うことが重要です。AIから得た情報や示唆を踏まえつつ、自ら納得できる選択を積み重ねていくことが求められます」

(取材・文/大友康子)