【特集】帰国子女とその保護者目線で見る 東大・京大・早稲田・慶應Vol.3 ~ランキイングで知る4大学 卒業後の進路編~
全12回でお送りする「帰国子女とその保護者目線で見る 東大・京大・早稲田・慶応」。
前回の第2回では、「グローバル編」と称して日本の大学と海外の大学のそれぞれの強みなどについても伺いました。
【特集】帰国子女とその保護者目線で見る 東大・京大・早稲田・慶応
第2回:
【特集】帰国子女とその保護者目線で見る東大・京大・早稲田・慶應Vol.2~ランキングで知る4大学グローバル教育編~
第3回の今回は、「卒業後の進路編」。ここでは、国家公務員総合職試験・公認会計士試験・司法試験の合格者数や合格率、大学発ベンチャー数や著名400社への実就職率をチェック。
どのランキングにも4大学の実力がにじみ出ています。

難関資格取得や大学発ベンチャーで突出
卒業後の進路面では4大学の存在感が大きい。国家公務員総合職試験、公認会計士試験、司法試験など、いわゆる難関資格の取得に強いのが上のランキングからも伺える。
「大学発のベンチャーの数に代表されるように産学連携も盛んで、研究機関としての役割もトップクラスと言えるでしょう」(中曽根氏)。
卒業後の進路における4大学の共通点には、次の2点が挙げられるという。
●就職や進学でのブランド価値
大手企業・官公庁、弁護士などの難関資格取得後の就職時、難関大学院への進学において、いまも”学歴フィルター” が存在している場合があり、有利な側面がある。
●人的ネットワークの存在
政治・経済・法律・メディア・国際機関など、意思決定層やリーダー層に卒業生が多く、同窓会ネットワークが強い。
もちろんこれらは本人の実力あってこそのもの。難関資格取得に強いという事実は、本人が目的達成に向けて着実に動けるということの証であり、人的ネットワーク構築も本人のコミュニケーション能力や問題解決能力による部分が大きいだろう。

4大学の学生や卒業生がそうして結果を残していることからは、今後の日本の大学全体のあるべき姿を垣間見ることもできる。
「少子化に伴い、今後、日本の大学は定員割れが深刻化して統廃合が進むでしょう。大学は生き残りをかけて、次の3つに分類されるような特色化を図るのではないでしょうか。4大学は主には1に該当するでしょう」(中曽根氏)。
1 知の創造→社会実装系
研究成果を社会に還元し、現実の課題解決に結びつける役割を担う。
2 地域創生系
地域の自治体や企業と連携し、地域創生に貢献する役割を担う。
3 リスキリング・リカレント教育系
社会人が学び直しをする場としての役割を担う。
次回の投稿からは、大学入学前に海外での生活を経験した帰国子女で、現在4大学に通っている現役生と4大学を卒業したOB・OGの生の声を掲載。なぜその大学に入り、大学で何を考え何をして、先をどう見据えているか。ぜひ、ご一読を!
お話を伺った方

教育ジャーナリスト 中曽根 陽子
日本国内200校以上を取材。海外の教育視察も行い、紙媒体からWEB連載まで幅広く執筆。講演活動も精力的に行っている。『中学受験親子で勝ち取る最高の合格』(青春出版社)ほか、著書多数。
※1・・・法務省「令和6年司法試験法科大学院等別合格者数等」(2024年) ※2・・・大学院修了者を含む学校もある







