昨日は、オンラインイラスト教室を運営する株式会社アタムのアタムアカデミーが実施した「子どもの自立心に関する意識調査」の結果を紹介した。早速、今日もこの続きを見てみよう。(調査期間:2024年8月24日~9月7日、有効回答数:303人〈女性209人/男性94人〉、以下調査結果はすべて株式会社アタム調べ)
困難な状況になったときの子どもの反応は?
子どもの自立心のために、先回りせず子どもに自分でやらせてみるという人が多い傾向にあったが、「困難な状況になったときのお子さんの反応」を聞いたところ、圧倒的に多かったのは「親に頼る・相談する(172人)」となった。
子どもが失敗や挫折したときのサポート方法は?
子どもが失敗・挫折したときのサポート方法として最も多かったのは「励ます(93人)」で、「失敗の原因や改善策を一緒に考える(79人)」との回答も多くの票を集めた。
また「まずは子どもが落ち着くまで見守り、落ち着いたら一緒に改善策を考える」など、いくつかのサポート方法を挙げた人も。子どもの状態を見ながら、状況や経過に合わせたサポートをしている家庭も多いようだ。
最も多い「励ます」と回答した人の中からは、具体的な声掛けとして「次は大丈夫」「また頑張ろう」「何とかなる」「自分も同じことを経験した」などが挙げられた。「まずは励まして気持ちを前向きにさせ、しばらくしてから解決策を探すよう促す」など、励ますことをサポートの入り口にしている人も目立った。
そのほか、以下の具体策が届いた。
- 失敗した際に「どこがよくなかったのか」「今後どうしたらよいか」を一緒に考えるようにしています(30代 女性)
- なんで失敗したか、落ち込んでしまったかまず聞きます(20代 男性)
- 本人が落ち着くまで話を聞きます(30代 女性)
- 子どもが話してきたら、じっくり聞いてあげます。「そっかぁ、そっか」と間をあけながら聞くと、不思議と子どもからたくさん話してきます(40代 女性)
- 失敗して学ぶことはたくさんあるので、気にせず挑戦することが大事だと伝えています(30代 女性)
- 日頃から「失敗は恥ずかしくない」「失敗しても、何回でも挑戦したらいい」と言っています(40代 男性)
- 「失敗することは誰にでもある。大切なのは、何がいけなかったのかを考えて、次回から繰り返さないことだ」と教えています(50代以上 女性)
- 「本やインターネットで調べてみよう」とヒントを出して、自分で調べるように促しています(40代 女性)
- 落ち着いてきたころに、「こうしてもよかったかもしれないね」などとアドバイスをする(50代以上 女性)
- 普段と変わらずに接するよう心がけています。失敗しても切り替えて過ごせるようにしています(30代 女性)
- まずは挑戦したことを褒めてあげる(30代 女性)
- 結果だけにとらわれず、プロセスに間違いがなかったときは褒める(30代 男性)
- ネガティブな言葉をかけるのではなく、経過の中から肯定できる部分を認めてあげる(40代 女性)
自立心のベースは積極性!
以上の調査結果について、プロ野球選手などのアスリートやスポーツチームへのメンタル指導、子ども・保護者・教員向けの教育講演などで活躍する株式会社脳レボの代表取締役・川谷潤太氏は、次のようにコメントを寄せている(以下、川谷潤太氏の考察)。
「近年、会社でも学校現場でも共通して「言われたことしかできない(やらない)」「指示待ち」「自己管理ができない」「積極性がない」人が多いと、非常に多くの管理職の方が危惧されています。「自立心」が強い子になって欲しいと思う親が多いのは、そういった社会課題が関係しているとともに、「目先の解決」や「進路(受験)などの成果」ではなく、将来のための「成長」や「社会に出てからの活躍」に重点を置いているからだと推測します。ですからすぐに成果を求めずに「見守る」など、失敗も許容しながら、長期的な視点による回答が多数になりました。自立心のベースは積極性。自らの意思でどんどんチャレンジし続ける子どもが、もっともっと増えることを願っております。」
(取材・文/小野眞由子)