日本への帰国を前提とした海外での暮らしの中で、帰国後の子どもの教育に疑問や悩みを持っている保護者も少なくないようです。そこで、海外に住む保護者からの様々な質問に、帰国子女対象の英語塾「帰国子女アカデミー」の英語ネイティブの先生が答えてくれました。
Q. 来年、中学受験の勉強を始める息子ですが、性格的に「努力し挑戦すること」に向いていないようで悩んでいます。勉強の理解度は低くないのですが、学校の先生には「ミスが多く、集中力に欠ける」と指摘されています。親として、何かできることはありますか?
A. Feeling(感覚)とthinking(思考)のバランスを取るべし
はじめに、お悩みは「ごもっとも」だと言わせてください。生まれながらにして中学受験に完璧に向いている人間など存在しないからです。
保護者が子どもの中学受験を手助けする際に一番やりがいを感じることは、子ども自身が自分の弱さに気づき、合格に向けて能力を徐々に上げていく様子を目の当たりできることでしょう。
もちろん、この過程を経たからと言って合格できるわけではありません。しかしご質問に答えるために、まずは「Feeling(感覚)」と「thinking(思考)」のバランスにフォーカスしてみたいと思います。
さて、「Feeling(感覚)」と「thinking(思考)」について、次のように定義します。
●Feeling(感覚)…直感や無意識の勘に従うこと
●thinking(思考)…ルールやテクニックにきっちり従うこと
物事で成功するには、それに至るすべての決定でこの2つのバランスを上手に取る必要があります。そしてこのことは、「中学受験の成功」に向けても同じです。
「Feeling(感覚)」に偏った勉強をする子どももいますし、「thinking(思考)」に偏った勉強をする子どももいますが、保護者は、どちらもバランスよく使いながら勉強する力を養ってあげることが大切です。
中学受験の問題はFeeling(感覚)とthinking(思考)の両方を使う
では、この「どちらもバランスよく使って勉強する」とは、どういうことでしょうか。文章問題に答えるときのシチュエーションを例に、具体的に見ていきましょう。
読解力のある子どもは、複数の回答の中から自身の直感に沿って正解を導くことができます。
ですが中学受験では、この直感にプラスして、「間違いの含まれた答えが入っているのはどれ?」といったようなテクニックも要する“ひっかけ問題”がよく登場します。
このような場合は、答えを導き出すために、「Feeling(感覚)」に沿って読みながら文章中の比喩などを把握するだけでなく、「thinking(思考)」に沿って読み“間違いを1つ1つ除外していく”というテストを受けるときのテクニックを同時に使わなくてはなりません。
中学受験の文章問題で正解するためには、「Feeling(感覚)」と「thinking(思考)」、どちらもバランスよく身に付けておく必要があるのです。
お話を伺った方
Distance Learning Course Head Teacher
Dan Pulvermacher 先生
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