「最もよく使う英語スキル」と「最も学習している英語スキル」が違ってる?
業務で英語はもはや必須。どんな英語技能が特に重要?
近年は、社会のグローバル化や日本を訪れる外国人観光客の増加などにより、日本でも仕事で英語を使う場面が増えてきています。では、実際にはどのような英語力が必要とされているのでしょうか。興味深いアンケート調査の結果を紹介しましょう。
<実際の業務における英語4技能に関する実態調査>をしたのは、「スキルアップ研究所」を運営する株式会社ベンド(株式会社学研ホールディングスのグループ会社)です。同社は、スマホを使ってリアルなAIチューターと英会話学習ができるAI英会話アプリ「Talkful(トークフル)」の運営も行っています。調査対象は、業務で実際に英語を使う社会人200人です。
※出典:https://reskill.gakken.jp/5106、スキルアップ研究所:https://reskill.gakken.jp/
業務で最も使う英語スキルはスピーキング
「業務で頻繁に使う英語スキルはどれですか」と質問したところ、「スピーキング」が61.5%で最も多く、次いで「リスニング」が48.5%、「リーディング」が44%、「ライティング」が27%という結果でした。
英語を使う業務では、会議や打ち合わせなど口頭でのやり取りが多いため、スピーキングとリスニングの割合が高くなったと考えられます。

最も苦手に感じる英語スキルもスピーキング
「業務で英語を使う際、特に苦手だと感じるスキルはどれですか」という質問では、「スピーキング」が44.5%と最多、次いで「リスニング」が29%、「リーディング」が27.5%、「ライティング」が16%でした。
頻繁に使うスピーキングは、同時にに苦手意識を持たれやすい技能でもあり、実務での大きな課題になっていると推測できます。

最も強化したい英語スキルはスピーキング
「今後強化したい英語スキル」という質問には、「スピーキング」が52.4%と過半数を占め、次いで「リスニング」が35.9%、「リーディング」が30.4%、「ライティング」が17.4%でした。

しかし、最も学習されているのはリーディング
「英語を学ぶ際、特定のスキルを意識して学習していますか」という質問には、「リーディングのための学習をしている」が31.9%と最も多く、次いで「スピーキングのための学習をしている」が30.9%という結果となりました。

調査の結果、業務で最も使われているスキルは「スピーキング」で、多くの社会人がこれを最も苦手と感じており、強化したいと考えていることがわかりました。しかし、実際にはスピーキングを中心に学習しているわけではなく、リーディングの学習に偏っています。この背景には、スピーキングは独学で取り組みにくいことが影響していると考えられます。 このギャップを埋めるには、AIツールや英会話サービスを活用した実践的な学習環境の整備が重要です。学べる環境を整えることで、スピーキング学習に取り組む社会人が増えることが期待されます。
英語学習のネックは費用と考えている人が多い
株式会社ベンドの広報担当、小幡真夢(おばた・まゆ)さんに、調査の見解や英語学習についての意見をうかがいました。
「あくまで個人的な考えですが、現代の日本では、英語は避けて通れないものであり、若い世代にとっては身に付けるべきスキルだといえます。英語で話すことに苦手意識を持っている社会人は多いですが、これまでに学習してきた英語の知識はあると思うので、スピーキングの練習を増やして、業務で使えるレベルを目指すとよいと思います。ただ、そこでネックになるのが費用です。弊社の別の調査では、英語学習に金銭的な負担を感じている人が多いことがわかりました」

(出典:「社会人の英語学習ニーズに関する実態調査」https://reskill.gakken.jp/5005)
さらに、小幡さんはこう続けます。
「ただ、今の時代は、YouTube動画やAIアプリなどもあり、それほどお金をかけなくても英語に触れたり身につけたりする機会を増やせます。弊社も『Talkful』を運営していますが、スマホ画面のAI講師に向かってどんどん話せるので、気軽にスピーキングとリスニングを練習できます。日本で英語を学んでいるとインプットに偏りがちなので、アウトプットの機会を増やすことが、スピーキング力の強化につながると思います」
(取材・文/中山恵子)
<実際の業務における英語4技能に関する実態調査>概要
対象者:業務で実際に英語を使う社会人
対象地域:全国
調査方法:インターネット
調査期間:2025年9月23日~9月30日
回答数:200
※調査結果の全文はこちら:https://reskill.gakken.jp/5106







