昨日は教育サービス会社のピアソン(本社:イギリス・ロンドン)が行った「英語がキャリアと人生に与える影響」についての調査から、特にキャリアに与える影響についてをチェックした。英語学習者、英語を仕事で日常的に使用する人々は半数以上が英語を学ぶことで仕事の幅が広がる考えており、英語力が高い人ほど高収入を得ている現状が分かった。
本日は、英語力が「人生に与える影響」について見てみよう。
英語スキルは私生活の充実にも役立つ
日本の回答者が回答した仕事以外の理由で英語を学びたいと思う動機として、「テレビや映画、オンラインコンテンツを英語で視聴できるようになりたい」47%、「もっと旅行に行きたい」44%、「身の回りの英語が読めるようになりたい」40%などが挙げられた。また、日本の回答者の23%が友達作りを英語学習の動機として挙げた。
英語教育の不足
日本では小中高と英語の授業をしっかりと受けてきているはずだ。しかし、正規の教育で十分な英語力に達したと感じている日本の回答者は17%(世界平均45%)しかいない。その主な原因は、授業以外で英語を使う機会が十分になく(55%)、実際に英語を使うことよりも文法や語彙に重点が置かれていた(60%)ことにある。
また、日本の学習者は学習方法として世界平均よりもアプリ、書籍、ウェブサイトなどの自己学習ツールに頼っている傾向(日本70%、世界平均56%)がみられた一方、日本では対面やオンラインの正規プログラムを受講している人は世界平均より低いことがわかった(日本41%、世界平均72%)。
自己を差別化するスキルとしての英語の重要性は増す一方
ピアソンの英語学習部門のプレジデントで自らも非英語ネイティブのジオ・ジョバンネリ氏は、調査結果を受け、次のように述べている。
「この調査では、人々が職場や私生活でより充実した日々を送るための英語の重要性が示されました。しかし、まだ多くの人が自分の英語力に自信が持てず、このことが職場での日常業務や他者との交流にも影響を及ぼしています。AIの進化が雇用の不確実性をもたらす時代において、自己を差別化するスキルとしての英語の重要性は増す一方です。だからこそ、英語学習に興味を持つ人々には、今すぐ行動を起こし、自分のレベルに合った学習でスキルを効率的に高めることをお勧めしたいと思います」
(取材・文/大友康子)