1年生の時にIELTS 8.0を取得｜国際高等専門学校

1年生の時に「IELTS」のスコア8.0を取得
― 村井優風香さんインタビュー ―

国際高等専門学校（International College of Technology, Kanazawa　以下、国際高専）2年の村井優風香さんは昨年、1年生の時に受けた「IELTS」の試験でスコア8.0を取得しました。

IELTS（International English Language Testing System）は海外留学や研修のための英語力を証明するイギリス発祥の英語試験。イギリスはもちろん、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドのほぼ全ての高等教育機関で認定され、アメリカでは TOEFLに代わる英語能力試験として入学審査に採用する大学は3,400校を超えています。

国際高専のカリキュラムでは、3年生全員がニュージーランドのオタゴポリテクニクに1年間留学するため、2年生までにIELTS のスコア5.5を達成することが目標となっています。

2023年12月に白山麓キャンパスで実施されたILETS試験では、2年生の村井優風香さん（当時1年生）がスコア8.0を取得しました。イギリスのオックスフォード大学が学部生の入学審査で要求する英語力はIELTS7.0以上、アメリカの名門アイビーリーグに属するブラウン大学は8.0以上、ハーバード教育大学院は7.5以上とされ、村井さんはそうした大学（あるいは大学院）で学ぶのに十分な英語力があると証明されたことになります。

村井さんがIELTS受検に向けてどんな勉強をしたのか、お話を聞きました。

――ILETSの試験に向けて、どのような準備をされたのでしょうか？

村井　IELTSの勉強は基本的に英語の授業のなかでやっていました。レノルズ先生のリーディング・ライティングの授業では、ライティングの練習を何回もやり、フィードバックやアドバイスをもらいました。

先生は私が書いた英語の文章をみて、同じ単語を何度も使っていることに気づき、他の単語に言い換えるようアドバイスをしてくれました。このクラスは私を含めて受講生が二人だけと少人数だったので、丁寧に教えてもらえてことも、よかったと思います。

※国際高専の英語科目は英語能力別にクラス分けをしています。

――リスニング・スピーキングはどのように勉強しましたか？

村井　英語科目の先生たちが定期的にリスニングとスピーキングのパートの練習をしてくれました。また、国際高専には世界中から集まった外国人の先生がたくさんいるので、授業以外でも英語を使う機会があります。そのおかげで、普段から英語でものを考える習慣が身に付いたのかもしれません。

――IELTSに出題される英単語は、どんな修得方法をとられたのでしょうか？

村井　基本的には英語の授業で新しい英単語を覚えていきました。国際高専ではSTEM科目は英語での受講が必須です。それに加えて、私は「歴史・文化」という科目を英語で受講し、各国の歴史や文化のほか、世界のさまざまな問題についても学びました。こうした授業のおかげで、専門分野や技術的な英単語まで幅広く身に付けることができたと思います。ILETSの問題は歴史や地理、生物など、さまざまな分野から出題されるので、英語系以外の授業で身に付けたボキャブラリーが役に立ちました。

――村井さんはいつ頃から英語の勉強を始められたのですか？

村井　私が小さい頃、母が家で英語の教材ビデオを流してくれていたらしいです。私の記憶にはないのですが……（笑）。小学生になってからは、公文に通ったり、Netflixでドラマを観たり、洋楽を聴いたりしながら英語を学びました。Netflixでは日常的に使われている英語のフレーズなどを聴き、わからない単語などはすぐに調べていましたね。

専門分野やビジネスについて学んだことで視野が広がり、将来を考えるようになった

――国際高専に入学してから、自分が変わった、あるいは何かを得たと感じることはありますか？

村井　国際高専では一般科目のほかに、ロボティクスやSTEM科目など、専門的な分野について学ぶことができるので、以前より視野が広がったと思います。

私は元々、起業に興味をもっていたので、国際高専の「スタートアップ」という活動がためになります。スタートアップでは、社会ではどんなビジネスが必要とされているかや、どうしたらビジネスが成功するかなどを学んでいます。

また、先生たちはさまざまな分野の知識や経験を活かして、学生一人ひとりに対して、しっかりサポートしてくれていると感じます。国際高専で学んでいると、自分の夢について考える材料がたくさんあるので、社会に出たら、どういう風に貢献していこうなどと、将来について考える機会が増えました。

――村井さんの将来の夢は？

村井　まだはっきりとは決まっていませんが、私は建物や街づくり、インテリアなどに興味があるので、建築関連の仕事に就くか、起業家になりたいと考えています。そこでも英語を軸に、国際的な人脈をつくって他の国の人たちと交流し、経験を積んでいきたいです。それから、日本国内はもちろん、海外のさまざまな国を旅行してみたいですね。それぞれの国や地域の文化・風習を知り、人々と繋がりたい。そして、そのツールとなる英語を大切にしていきたいです。

――国際高専に興味を持っている中学生に向けたメッセージをお願いします。

村井　国際高専にはさまざまな背景をもつ学生や、自分とは違う夢をもった学生がたくさんいます。もし今、自分がやりたいことが決まっているのなら、ここでその夢をもっと深く掘り下げたり、興味の幅をもっと広げたりすることができると思います。逆に、何をしたらいいかわからないという人も、国際高専で学んでいると、自分が何をやりたいのか、将来、自分がどんなことができるのかを自分のペースで考えることができます。ここでいろんなことに挑戦し、実践してみてください。