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広島市在住の小3生が原爆ドームで英語ガイド(後編)

昨日は、広島市在住の小学3年生・佐々木駿くんが平和記念公園で外国人に対し英語ガイド活動を行うようになった経緯を見た。本日は、駿くんのガイド活動の進め方やガイドする中で感じたことなどに迫ってみよう。

観光する外国人のタイミングを見計らって声掛け

駿くんは、ボランティア団体などに所属して予約者に対してガイドするのではなく、まったく見知らぬ外国人に自ら声をかけてガイドをしてきた。とても勇気のいることではないだろうか? 駿くんは次のように語る。

「話しかけるタイミングが難しいです。観光しているなか、迷惑はかけたくないので、相手が急いでないか、話しかけても大丈夫そうか、少し様子を見てから話しかけるようにしています。

話しかける時も、子どもガイドをしているということを伝え、『今、少し時間はありますか?』と尋ねるようにしています。

声をかけて、最初は自己紹介や、どこから来られたのか、観光ですか? お好み焼きは食べましたか? などの質問をしたりして打ち解けるようにしています。相手が笑顔になってくれることで自分も安心して話しやすくなります」

気遣いもばっちりだ。

ガイドをするごとに増える出会い、すべてが思い出

実際に、平和記念公園でガイドをするなかで、駿くんは「外国人の方々のリアルな反応が見られるので面白い」と言う。

「ガイドしていると褒めてもらえたり、興味を持っていろいろ質問してくれたり、『知らなかったことを教えてくれてありがとう』とか、『素敵なガイドをありがとう』、などと言ってもらえたり、『記念だから』とキーホルダーをプレゼントしてくれる人もいて、とてもうれしかったです。

ガイドしているところを見ていた日本の人が、『すごいね! 良い活動をしてるね!』と言ってくれたこともありました。すべてがとても良い思い出です」(佐々木駿くん)

外国人への英語ガイドで語彙力向上

ノバキッドのオンライン英会話レッスンを定期的に受講すると同時に、コロナ渦で外国人観光客が少ない中、月に1回は平和記念公園を訪れ、ガイド活動を続けた。ガイドに使う言葉には普段の会話やノバキッドの授業には出ない単語もたくさん登場するため、語彙力が向上したという。

また、外国人に話しかけることで徐々にコミュニケーションも得意になったそう。お母さんは、駿くんが歴史に興味を持ち、自分から知ろうとする姿勢にも成長を感じたそうだ。そして、本年7月実施の英検で小学校3年生にして英検準2級に合格した。

原爆の恐怖を繰り返さないために伝えることが大切

今後は、広島市の縮景園でも英語ガイドに挑戦してみたいという。同園は、原爆の被害を受けながらも見事に復元され、日本らしい庭園景色を見せる名園だ。

駿くんは将来的にはどんな夢を描いているのだろうか?

「大きくなったらおじいちゃんのようにお医者さんになりたい。人の命を救う、人のためになる仕事をしたいです。

原爆のことも、最初は怖いと思っていけど、同じことを繰り返さないためにも伝えることが大切。人のためになるというところは、自分の夢にも繋がるところがあると思います」

おじいちゃんへの憧れが英語ガイドの活動にも影響しており、平和や人の命について考えるきっかけになったようだ。これからも英語ガイドを続けていきたいという駿くんの、今後の活動と将来が楽しみだ。

(取材・文/大友康子)

四季折々の日本らしい美しさを見せる、広島市の縮景園