文化庁調査で誤用が多数派になっている言葉が判明
文化庁は2024年9月17日、2023年度「国語に関する世論調査」の結果を公表した。調査内容は多岐にわたるが、1995年度から毎年実施されているこの調査の中で、誤用が多数派になってしまっている慣用句・熟語などがとりあげられている点が大変興味深い。あなたは正しい使用法を知っているだろうか? 誤って使用しているだろうか?
調査の中の「言葉遣いに対する印象や慣用句等の理解」について、今日と明日とで見てみよう。
調査主体 | 文化庁国語課(業務委託先:一般社団法人中央調査社) |
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調査目的 | 現在の社会状況の変化に伴う日本人の国語に関する意識や理解の現状について調査し、国語施策の立案に資するとともに、国民の国語に関する興味・関心を喚起する。 |
調査時期 | 2024年1月16日~3月13日 |
調査対象 | 全国16歳以上の個人 |
調査対象総数 | 6000人 |
有効回答数(率) | 3559人(59.3%) |
調査方法 | 郵送法 |
「悲喜こもごも」「悪運が強い」などで誤用多数
近年、誤用が目立ってきた言葉として、今回取り上げられたのが「悲喜こもごも 」「悪運が強い」「煮え湯を飲まされる」「うがった見方をする」「失笑する」。(ア)と(イ)どちらかが正しいかと思うかを尋ねた結果は下記の通り。
オレンジ色に着色したほうが辞書等で本来の意味とされてきたものだが、「煮え湯を飲まされる」以外は、本来の意味とは異なるほうが選択されている。
また、「間髪を入れず」「綺羅星のごとく」「好事魔多し」については、続けて言うか、「間(かん)、髪(はつ)を入れず」のように区切って言うか、といった質問もなされた。その結果は明日、ご紹介しよう。
(取材・文/大友康子)