昨日は、日本最大級の学校業務支援システム「マチコミ」や子ども見守りGPSサービス「みもり」を展開するドリームエリア株式会社による、AIの進化による子どもたちの勉強や職業の変化についての調査結果を紹介した。今日も早速、その調査結果の続きを見てみよう。
AIの進化によって学歴より実力重視の社会を8割が予想

【Q5】将来、学歴社会から実力の社会に変わっていくと思いますか?
「学歴の重要性は変わらないが、実力も重視されるようになる」と回答した方が 51%となり、次いで「学歴の価値は少しずつ下がり、実力がより重視される」(30%)が続いた。学歴だけではなくスキルや実力が問われる社会への移行を予測する方が全体の 81%になった。
AIとの共存による働き方の多様化に期待

【Q6】AIの発展で、子どもの将来の仕事はどうなると思いますか?
「現在ある仕事の多くは変化するが、働き方が多様になる」と回答した方が 39%となった。また、「AIと共存しながら、人間にしかできない仕事が重視される」という意見も34%以上あり、AIの発展により新しい働き方への期待が高まっているようだ。一方で、「AIに取って代わられる仕事が増え、職を失う人が増える」(17%)と懸念する声もあった。
70%以上の人が新たな経済格差を懸念

【Q7】AIの進化によって、経済格差はどのようになると思いますか?
「AIを使いこなせる人とそうでない人で、新たな格差が生じる」と回答する人が最も多く 60%を占める結果に。AIリテラシーの差が新たな社会的な格差を生む可能性に対し懸念をいだいている方が多いことが伺える。一方で、「AIによって労働の負担が減り、格差のない社会に近づく」(7%)とAIに期待する意見も一定数見られた。
AIに期待すること・不安に思うこと
自由回答欄では684件のコメントが寄せられ、以下のような意見が多く見られたようだ。
AIに期待する声
- 「AIの進化によって、医療や教育の分野で大きな貢献を期待している」
- 「子ども一人ひとりに合った学習ができるようになればよい」
- 「単純作業が減ることで、創造的な仕事に時間を使える」
AIに対する不安の声
- 「子どもがAIに頼りすぎて、思考力が低下しないか心配」
- 「誤った情報を学習し、間違った知識を持ってしまう可能性がある」
- 「AIの発展により、将来の仕事が減るのではないか」
調査結果から、多くの保護者がAIの必要性を認識し、子どもの学習にも価値を感じていることが明らかになった。AIの活用が進む一方で、基礎知識や思考力の重要性は依然として認識されており、教育の在り方については、従来の学習を維持しつつ創造力やコミュニケーション能力を育むべきとの意見が多く見られた。
職業面では、AIとの共存による働き方の多様化が期待される一方、格差による経済格差拡大を懸念する声も多数あり、AIを適切に活用しつつAIリテラシーの向上や人間の強みを活かす教育が求められているようだ。今後は、AIの発展と共に、人間ならではの能力を伸ばすバランスの取れた教育や社会の仕組みが重要となるのではないか、とも言えるだろう。
AIが進歩しても未来を創るのは「考え、行動する力」
以上の調査を行なったドリームエリアでは、広報の畠山さんが以下のコメントを寄せてくれた。
「AIをはじめとする技術の進化により、これからの社会はますます大きく変化していくと思います。しかし、AIがどれほど進歩しても、「自分で考え、選択し、行動する力」はこれからの時代も必要なスキルだと考えています。AIは非常に便利なツールですが、未来を創るのは、最終的にはお子さま一人ひとりの想いと努力にほかなりません。保護者の皆さまには、お子さまが新しい時代を力強く生き抜くために、好奇心を尊重し、挑戦を後押ししていただければと思います。また、AIはすでにビジネスの世界で大きな変革をもたらしており、その重要性は今後さらに高まっていくと考えられます。まだAIに触れたことがない方も、ぜひ一度試してみることで、新たな可能性を感じられるかもしれません。」
(取材・文/小野眞由子)