インターで学ぶケンブリッジ国際と国際バカロレア ~比較ポイント③ 大学への道筋編ー1~
徹底的に比較します
ケンブリッジ国際と国際バカロレア――
日本のインターナショナルスクールで主流となっているこの2つの教育プログラム。どちらも同じ「国際教育」という枠組みにありますが、教育哲学や学びへのアプローチが大きく異なるのをご存じでしょうか。
今号では、その違いを徹底比較。母体や学び方の特徴、評価方法、大学進学へのプロセスなどを、それぞれの専門家の監修のもと詳しく解説します。
さらに、実際にプログラムを履修中の現役生や修了した卒業生の“生の声”も掲載。科目の選び方から心に残った授業まで、経験者ならではの具体的なエピソードをご紹介します。
お話を伺った方

・ケンブリッジ国際について
中川 千穂(なかがわ ちほ)氏
ローラスインターナショナルスクールオブサイエンス副校長。都内私立一条校勤務を経て、現職。日本のケンブリッジスクールコミュニティボードのメンバーとしてケンブリッジ国際教育に関わる。

国際バカロレア(IB)について
ドカティー 博美(ひろみ)氏
アオバジャパン・インターナショナルスクールに勤務。シンガポールと日本でIBの指導とリーダーシップの経験がある。子どもは2人ともIBでの学びを経て、現在はイギリスの大学に在学中。
大学への道筋
海外大学への出願資格としての役割も持つ両プログラムですが、その道筋は大きく異なります。
まずは、最終スコアの獲得方法を見比べてみましょう。
ケンブリッジ国際
最終評価の獲得方法
最終的なスコアは、履修した3〜4科目それぞれの試験結果に基づき、高い順から「A*」「A」「B」「C」「D」「E」「U(※1)」の7段階で判定される。算出方法は、大きく分けて2種類。ひとつは最終試験の結果のみで評価する「リニア方式(※2)」で、本家イングランドではこの方式が主流。もうひとつは、AS LevelとA Levelの学習内容を複数のユニット(単元)に分け、1年につき2回行われる試験の結果を合算して最終評価を出す「ステージド方式(※3)」。日本ではこの方式が主流だ。
世界のトップ大学の多くは、志望学部ごとにA Levelの履修科目を指定したうえで「3科目でA*AA以上」「『Biology』ではA必須」など、達成すべき明確な合格ラインを設けている。出願書類には在籍中の学校が算出する最終試験の予測スコアを記載。予測スコアやそれまでの評定平均、課外活動などを含めて総合的に審査した上で「無条件合格」を出す国や大学もあれば、最終試験で一定以上の成績を収めることをノルマとした「条件つき合格」を出す国や大学もある。
選択したおよそ 3科目 の試験を受けて A Levelの資格取得
Accounting、Arabic、Art & Design、Biblical Studies、Biology、Business、Chemistry、Chinese – Language & Literature、Classical Studies、Computer Science、Design & Technology、Digital Media & Design、Drama、Economics、English – Literature、English Language、European History、French Language & Literature、Geography、German Language & Literature、Global Perspectives & Research、Hinduism、History、Information Technology、International History、Islamic Studies、Law、Marine Science、Mathematics、Mathematics – Further、Media Studies、Music、Physics、Portuguese、Psychology、Sociology、Spanish – Language & Literature、Tamil、Thinking Skills、Travel & Tourism、US History since 1877、US History to 1877
してよかった勉強法は?
現役生 過去問の復習と分析、先生とのコミュニケーション
過去問題を解き、間違いの多かった単元を割り出し、その単元を教科書や問題集を使って徹底的に復習しました。過去問の解答を分析して、求められている考え方やプロセスを感覚としてつかめるようになるまで頑張った結果、「Biology」でA(596/600)、「Chemistry」ではA(600/600)というスコアを得られました。この他、教科担任の先生とコミュニケーションを密にとり、疑問に思ったことをすぐに質問して解決したのもよかったと思います。
R・Wさん(Year11だが飛び級にてA Levelの試験を受験。大学進学はこれから)
国際バカロレア
最終評価の獲得方法
最終的なスコアは、各7点満点の6科目(計42点)に、コア科目であるTOKとEEの成績加点(最大3点)を加えた合計45点満点で算出される。
特徴は最終試験の結果だけで合否が決まる一発勝負ではないということ。2年間の授業で取り組む「内部評価(Internal Assessment=IA)」と「外部評価(External Assessment=EA)」に加えて、最終試験の点数を合算した数値がスコアになる(ただし、グループ6の教科は最終試験がなく、内部評価と外部評価で点数が決まる)。内部評価とは、実験レポートや論文、ポートフォリオ、口述試験などのうち、校内で採点するものを指し、外部評価とはIBOに提出してIBの試験官が採点するものを指す。
なお、コア科目であるTOKとEEのいずれかで最低評価の「E」を取ってしまうと、たとえ他の科目が満点であっても不合格となり、IBディプロマを取得できなくなる。また、CASは加点対象ではないが、IBディプロマ取得には欠かせない要件となっている。
24点以上でIBディプロマ取得
してよかった勉強法は?
卒業生 「科目ローテーション」と試験の採点基準の研究
学習内容を自分の言葉で置き換えながらノートを作り、記憶を定着させました。また、1科目を集中的に学ぶのではなく、休憩を挟みつつ複数の科目を30分ずつ勉強する「科目ローテーション」も毎日実践。各科目への集中力が高まり、異なる科目の内容同士を無意識のうちに結びつけられるようにもなりました。そして最終試験に向けては、採点基準をよく研究しました。試験官がどのような答えを求めているのかが、そこにはっきり示されているからです。T・Yさん(City St George’s University, Bayes Business School/1年生)
※1…Ungraded。評価なし ※2…全学習を終えてから一斉試験を受けるため、科目全体を深く理解した状態で臨めるのがメリット。評価に納得できない場合は再受験も可能だが、科目全範囲の試験をまるごと受け直す必要がある ※3…試験の負担を時期ごとに分散できるのがメリット。評価に納得できない場合は再受験できる ※4…クリアリング制度。志望校に届かなかった生徒が、定員未充足の大学に空き枠を求めて出願できる制度のこと









