インターで学ぶケンブリッジ国際と国際バカロレア ~比較ポイント① 目的編~

徹底的に比較します

比較ポイント、目的

2つのプログラムの教育の目的は、どこにあるのでしょうか。
誕生したきっかけや拡大の背景など、その成り立ちから紐解いていきましょう。

ケンブリッジ国際

イギリス内の学力保障から信頼される世界標準の教育指標へ

イギリスが世界の列強として名を馳せていた1858年、ケンブリッジ大学はイギリス内の教育の質を高めるために、生徒の力を公平に測る試験制度を開始した。これが現在のケンブリッジ国際教育プログラムの原点だ。当初はイングランドの8都市(バーミンガム、ブライトン、ブリストル、ケンブリッジ、グランサム、リバプール、ロンドン、ノリッジ)でわずか370人が受験する小規模なものだったが、開始6年後の1864年には海外(トリニダード、現在のトリニダード・トバゴ)でも試験が行われるほど急速に拡大した。現在では160以上の国と地域で約1万校が導入する、世界最大級の教育プログラムへと成長している。
この躍進を支えたのは、時代に合わせた柔軟な組織改革だ。1998年には国際教育(※1)、英語資格(※2)、英国国家試験(※3)の3部門体制をつくり、どんな年齢や目的の生徒でも自分に合ったレベルで学び、その頑張りを世界基準で正しく認めてもらえる環境を整えた。さらに2021年には教材開発と試験の部門を統合。学びから評価までを一貫して支える体制を築いた。
ケンブリッジ国際が目指すのは、知識の習得だけではなく、得た知識と英語を道具に論理的に考え、価値観の異なる人々と根拠を持って議論し、協働できる力を育てることだという。それは「正解のない現代で、自ら未来を切り拓くための揺るぎない力になる」と期待される。

母体イギリスのケンブリッジ大学の一部門であり、
世界最大級の規模を誇る国際教育組織でもある
「Cambridge International Examination(CIE)」。
カリキュラム3歳から19歳までを対象とした
5段階で構成されている。
学習言語授業は英語で行われるのが原則。
これは英語を知識の吸収や発信の道具として使いこなし
世界標準の思考力を養うため。
将来、世界の人々と対等に渡り合う力を磨く
トレーニングでもあるという。
なお、選択科目のなかには「Japanese」があり
日本語は外国語として学習することが可能となっている。

国際バカロレア

「どこへ移動しても途切れない学びを」教師たちの思いが世界中に拡大

「子どもたちが世界中のどこへ移動しても、途切れない学びをつくりたい」「教育を通じて、よりよい平和な世界を築きたい」。そんな願いを抱いたスイスのインターナショナルスクールの教師たちが中心となって動き、1968年に国際バカロレア機構は誕生した。創設当初はジュネーブの小さな事務所が拠点で、対象も外交官や海外駐在員の子どもたちに限定。目的も、現在のカリキュラムの最終段階(DP)にあたる「国境を越えて大学入学資格を得られるようにすること」に絞られたものだった。
しかし、国際バカロレアの理念が共感を呼び、現在では160以上の国と地域で約6000校が導入するまでに成長を遂げている。発展の主な要因は、対象年齢の拡大だ。当初のDPに加え、1994年に中等教育プログラム(MYP)、1997年には初等教育プログラム(PYP)をスタート。さらに、2012年にキャリア関連プログラム(CP)という職業関連分野にもカリキュラムを広げ、現在は3歳から19歳までの16年間にわたる一貫教育を提供している。
そうした流れのなかで、組織も世界中へ広がった。現在は、本部を置くスイスのジュネーブをはじめ、オランダのハーグ、イギリスのカーディフ、シンガポール、アメリカのワシントンD.C.にも主要なオフィスを構えるまでに。現場の学校を支える強固なネットワークを築くことで、国際バカロレア機構は教育の円滑な実施と普及推進を図っている。

母体スイスのジュネーブに本部を置く
非営利の教育財団「国際バカロレア機構
(International Baccalaureate Organization=IBO)」。
カリキュラム3歳から19歳までを対象とした3段階
4つのプログラムで構成されている。
学習言語授業は英語で行われるのが原則。
これは英語を知識の吸収や発信の道具として使いこなし
授業は英語、フランス語、スペイン語のいずれかで行われるのが原則。
日本には、一部の科目を日本語で履修できる
「日本語DP」を導入する学校もある。
また、DLDP(Dual Language Diploma Programme。
複数の言語でDPを履修するプログラム)は
日本の他、韓国でも広く認められている。

※1…Cambridge International Education。世界最大の国際教育プログラム提供機関。主にイギリス外のインターナショナルスクール向けにIGCSEやCambridge International A Levelなどのカリキュラムと試験を提供 ※2…Cambridge English。英語を母語としない学習者のための英語能力試験(ケンブリッジ英語検定)を開発・運営する部門であり、IELTSTMの共同所有者でもある ※3…Oxford, Cambridge and RSA Examinations。イギリス内の学校向けに、中等教育修了資格であるGCSEや、大学進学のためのA Levelなどの国家資格試験を提供