インターで学ぶケンブリッジ国際と国際バカロレア ~比較ポイント② 学び方編ー1~
徹底的に比較します
ケンブリッジ国際と国際バカロレア――
日本のインターナショナルスクールで主流となっているこの2つの教育プログラム。どちらも同じ「国際教育」という枠組みにありますが、教育哲学や学びへのアプローチが大きく異なるのをご存じでしょうか。
今号では、その違いを徹底比較。母体や学び方の特徴、評価方法、大学進学へのプロセスなどを、それぞれの専門家の監修のもと詳しく解説します。
さらに、実際にプログラムを履修中の現役生や修了した卒業生の“生の声”も掲載。科目の選び方から心に残った授業まで、経験者ならではの具体的なエピソードをご紹介します。
お話を伺った方

・ケンブリッジ国際について
中川 千穂(なかがわ ちほ)氏
ローラスインターナショナルスクールオブサイエンス副校長。都内私立一条校勤務を経て、現職。日本のケンブリッジスクールコミュニティボードのメンバーとしてケンブリッジ国際教育に関わる。

国際バカロレア(IB)について
ドカティー 博美(ひろみ)氏
アオバジャパン・インターナショナルスクールに勤務。シンガポールと日本でIBの指導とリーダーシップの経験がある。子どもは2人ともIBでの学びを経て、現在はイギリスの大学に在学中。
比較ポイント、目的
2つのプログラムの教育の目的は、どこにあるのでしょうか。
誕生したきっかけや拡大の背景など、その成り立ちから紐解いていきましょう。
ケンブリッジ国際
学ぶうえでの苦労って?
現役生:日本の公教育より早い段階で高度な学びに移行すること
IGCSEは日本の中3から高1に相当しますが、選択中の「Biology」「Physics」「Chemistry」や「Computer Science」では、すべて日本の高校レベルの内容を学んでいます。そのため、刺激的である一方、難しさも感じています。また、学習するペースも速くて大変です。ただ「Mathematics」は中学数学から高校初級レベルの内容なので、比較的取り組みやすいです。 K・Nさん(IGCSE/Year10)
科目選びでの苦労は?
現役生:成績や将来の展望を踏まえて組み合わせを決めること
IGCSEでは文系・理系を問わずに幅広く学びましたが、AS & A Levelでは「Mathematics」「Further Mathematics」「Biology」「Chemistry」と理数系科目のみを選択。成績や将来の展望を踏まえ、どの科目を組み合わせるのがいいか、本当に悩みました。最終的に得意な数学と興味のある生物学を中心に選ぶことができ、楽しめています。 A・Mさん(AS & A Level/Year11)
現役生:自分の選択に自信や確信がなかなか持てなかったこと
かなり早い段階から将来について考えなければならず、「本当にこの選択でいいのか」と不安になることもありました。最初は3科目に絞って履修する予定でしたが、大学進学時の選択肢を広げるために4科目を履修することを決意して、「Mathematics」「Physics」「Computer Science」「Economics」を選びました。将来を真剣に考えるいい経験になったと思います。 H・Sさん(AS & A Level/Year12)
カリキュラムの構成
3歳からの「Early Years」に始まり、5歳からの「Primary」、11歳からの「Lower Secondary」、14歳からの「Upper Secondary」、そして16歳からの「Cambridge International AS & A Level」へと段階的に進むのが、ケンブリッジ国際。カリキュラムは「Early Years」から一貫して探究と論理的思考を重視しており、段階的に学びを深められる体系的な設計となっている。
14歳以降は「International GCSE (IGCSE)」、16歳以降は「Cambridge International AS & A Level」として、世界中の大学進学に通じる資格へとつながっていく。
国際バカロレア
学ぶうえでの苦労って?
現役生:第二言語の「Japanese」で漢字の読み書きをすること
Grade 3から7までオランダのインターで学び、日本のインターへ編入。両校ともIB認定校ですが、日本では「Japanese as a Second Language」の授業で出てくるたくさんの新しい漢字の読み書きに苦戦しています。また、初見の本を多く読み、自ら調べて考えるという探究型の学びのスタイルにも、大変さを感じることがあります。 S・Hさん(MYP/Grade8)
科目選びでの苦労は?
現役生:「ラクさで選ぶのはよくない」と知るまでに時間を要したこと
DPで「Japanese L&L」「Mathematics AA」「Physics」「English L&L」「Chemistry」、そして「History」を選択。最初は高スコアを狙いやすいとウワサされていた「Economics」を選んでいたのですが、どうも内容に興味を持てず…。「History」に切り替えて学び始めると、背景や立場の違いを考察することなどが興味深く、大変だけれど面白いと感じられています。T・Sさん(DP/Grade12)
現役生:自分が好きな科目と必修科目のバランスをとること
将来の専攻が未確定だったGrade10の時点で、その後2年間の学習内容とHL・SLの配分を決める重圧に苦労。好きな科目と必修科目のあいだで、自分に合うバランスを模索する日々でした。最終的には大学進学後の学びに備えて「Economics」をHLに、得意な「Geography」もHLに。言語科目は大学での専攻予定がないことも考慮し、SLに設定しました。S・Tさん(DP/Grade12)
カリキュラムの構成
3歳から学ぶ「PYP (Primary Years Programme)」、11歳からの「MYP (Middle Years Programme)」、そして16歳からの「DP (Diploma Programme)」あるいは「CP (Career-related Programme)」へと段階的に進む。
最終課程ではDPとCPのどちらかを選択する形となる。DPは世界の大学からも認知されているアカデミックな学びの基盤を築くコースで、CPはアカデミックな学びと実社会で生きるキャリア教育の両方を学べるコース。いまのところ、実施校数や認知度に伴ってDPを選択する生徒が90%以上を占める(2025年現在)。
※1…Extended Essay。自ら立てた問いを学術的に探究する ※2…Theory of Knowledge。知識とは何か、そして私たちはどのように知るのかを探究する ※3…Creativity,Activity,Service。創造活動・身体活動・社会奉仕活動など、自分の興味・関心にもとづく行動を伴う学び









