海外ブロックのチームも健闘!「第7回Minecraftカップ まちづくり部門全国大会」
ファイナリストが集結した大会を取材
去る2月15日、「第7回Minecraftカップまちづくり部門全国大会」が東京大学大学院 情報学環・福武ホールにて行われ、【最優秀賞】など各賞が決定しました。本大会は、高校生以下の子どもたちが「教育版マインクラフト」を使ったデジタルものづくりに挑戦する大会で、主催はMinecraftカップ運営委員会(構成団体:特定非営利活動法人デジタルものづくり協議会、一般社団法人ICT CONNECT 21)です。
今回の作品テーマは「未曾有の災害から人類の命をまもれ!〜レジリエンスを備えたまちづくり〜」で、レジリエンス(立ち上がる力)を主題に、「防災」や「平和」も含めた幅広い観点からの作品を募集しました。「たてもの部門(初心者・小学生向け)」と「まちづくり部門(チーム向け)」の2部門を設け、昨年6月に応募受付を開始し、エントリー総数は21,577人、作品数は836点(たてもの部門 490点、まちづくり部門 346点)と過去最多となりました。

そこで、『グローバル子女教育便利帳』では、この大盛り上がりの「まちづくり部門全国大会」の様子を取材。昨年11月~12月にかけて行われた14の地区ブロック大会(日本全国13ブロックと海外1ブロック)を通過してファイナリストに選出された28チーム、総勢199名の小中高生が参加し、1分間の動画上映と2分間のアピールタイム、1分間の質疑応答が行われましたが、そのなかから、海外ブロックの子どもたちの感想を伺いました。
多国籍チームの代表、宮城県加美農業高校の生徒が登壇
海外ブロックの中高生編成ファイナリストは、「Aurora Alliance」という多国籍チーム。作品名は「祭から学ぶ、助け合いの未来~多様性から生まれる防災コミュニティ~」で、祭がもたらす人々の絆やコミュニケーションと最新技術を組み合わせた未来の防災のまちづくりに挑戦しました。学校内での活動として参加したチームの中からすぐれたものに与えられる【学校賞】(中高生編成)と、Minecraftカップのパートナー企業から贈られる【ココロオドルモビリティ社会 川崎重工業賞】を受賞しました。

このチームは、日本4名、韓国7名、台湾3名、インド1名の計15名からなり、全国大会にはチームを代表して、宮城県加美農業高校の3年生、伊藤結衣さんと鈴木奏汰さんが出場。4カ国の仲間が集まった経緯を、伊藤さんと鈴木さんはこう話します。
「3年前に私たちはマインクラフトを活用した課題研究に取り組みました。活動の中で、韓国のある学校でもマインクラフトを使って学校パンフレットを制作しているというお話を校長先生から伺い、その学校にMinecraftカップでの共同制作をお願いしたところ、快く引き受けてくれました。台湾とインドのメンバーについては、私たちのプロジェクトの趣旨に共感してくださった先生方のご紹介で参加していただきました」
多国籍メンバーでの共同作業では、難しい英語がわからずに苦労したことも。
「基本的には英語だったので、翻訳アプリを活用しました。ただ、ワールドで建築していると、海外メンバーも同時間帯に入ってきて、チャットでやりとりをすることもありました。その時はドキドキしながらやりとりをしました」
海外ブロック地区大会の後、しばらくしてファイナリストの発表がありましたが、「全国大会出場を目指して4月から取り組んでいたので、結果を聞いたときは本当に嬉しかったです。それ以上に『ここからが本番だ』と身の引き締まる思いで、ここまで支えてくださった方々への感謝の気持ちが込み上げてきました。全国大会出場に向けては、2分間のアピールポイントで多くの人に伝わるように、発表の練習や内容の再確認などをしました」と振り返ります。
こうして迎えた全国大会のステージは「とても緊張した」という二人。
「メンバー集めからコンセプト決定、ワールドの制作まで、やらなければならないことが多くあり、不安もたくさんありました。しかし、『全国大会に出場したい』という強い思いがあったからこそ最後までやり切ることができました。この活動を通して防災についての理解を深めただけでなく、国際理解や多様性、コミュニケーションの大切さ、そして多くの方々のサポートのありがたさを学びました。特に印象に残っているのは、国を越えて一つの目標に向かって協力できたことです。文化や考え方の違いを乗り越えながら完成させた経験は、私たちにとって大きな財産となりました。そして、『夢は努力次第で叶えられる』ということを実感しました。この経験を今後の人生にも活かしていきたいと思います」
「祭」に対する考えも国によって違いがあることを肌で感じたとのことで、互いを理解して尊重することを学んだ、という発表が印象的でした。

ベトナムに住む二人が取り組んだ水害に強いまちづくり
海外ブロックの小学生編成ファイナリストは「じゃがいもポテト」、作品名は「守りの要~鉄が守る街~」です。今後の活躍が期待される【奨励賞】に選ばれました。

チームのメンバーは、ベトナムのホーチミンに暮らして約10年という小学6年生の奥田耕太郎さんと関鴻太さんです。幼い頃からの友人で、この日はベトナムから帰国して全国大会にのぞみました。
「最初に僕が読むところをミスしてしまったけれど、それ以外は大丈夫でした。(他のチームの発表を見て)目を付けるところがそれぞれ違っているな、と思いました」と関さん。
ベトナムは河川の氾濫などが多いことから、日々の暮らしで感じていることをまちづくりに取り入れたといいます。
「河が増水しても、物理的に街に水が入らないような工夫をしました」と奥田さん。そんな奥田さんの夢は「ゲームクリエイター」だといいます。 今回のMinecraftカップを終えて、「面白かった。もう1回やりたいです。」と口を揃える二人。もし次があるなら「もっと時間を効率的に使えると思う」と話す関さんは、まもなく帰国が決まっているため、奥田さんとベトナムで一緒に参加することは難しくなるかもしれません。けれども、幼なじみのつながりは続いていきそうです。

ロンドン在住の8歳が「たてもの部門」の【最優秀賞】に
また、この日は、「たてもの部門」の表彰も同時に行われました。12月に発表された最終審査で、見事【最優秀賞】に輝いたのは、海外ブロックの「まっこーロンドン」で、作品名は「水と暮らすあそぶ」です。初出場での快挙でした。

「まっこーロンドン」こと川口真功さんは現在8歳で、昨年8月にロンドンに移住し、現地校に通っています。
そんな川口さんは、マインクラフトの魅力について、「自由なものがつくれるところが好き」と笑顔で話してくれました。
出場のきっかけは、「前回のMinecraftカップの動画を見て、出たいと思いました」とのこと。そこからマインクラフトを始めて、今回の作品づくりのために「ロンドンのテムズ川とサイエンスミュージアムに行き、動画で浄水場の仕組みを調べたりしました」と言います。
表彰式の感想は「緊張した」とのことですが、檀上では「とても嬉しいです。もう1回挑戦したいです」と力強いコメントを述べていました。

【最優秀賞】は「イカバルーン」と「おもいでひがしうら」
なお、「第7回Minecraftカップまちづくり部門全国大会」の【最優秀賞】には、小学生編成から東京都の「イカバルーン」(作品名/「まちを元気に!まもりガメ」)、中高生編成から愛知県の「おもいでひがしうら」(作品名/「未来和郷 東浦 ~共創・共楽・共復のまち~」が選ばれました。


両チームとも、コンセプトや作品が素晴らしかったことはもちろん、見ている人を惹きつけるプレゼンテーション力にも長けていて、楽しい発表でした。
(取材・文/中山恵子)
◆大会の詳しい結果はこちら(https://minecraftcup.com/27432/)
◆全国大会・表彰式の様子は、大会公式YouTubeからアーカイブ視聴が可能(https://www.youtube.com/@MinecraftCup)
◆Minecraftカップ公式サイト(https://minecraftcup.com/)







