集団・個別など各種塾で、一番成績が伸びるのは何?

学校の勉強だけでは太刀打ちできない中学受験

本年年始、「第一志望合格率は『塾なし』トップも、難関校は圧倒的に『塾あり』」という調査結果を紹介しました。大学受験においては、推薦・総合型選抜といった受験方法や大学の選び方によっては、塾なしで第一志望に受かるケースが多いという現実があります。

中学受験の場合はどうでしょうか? 小学校の授業を受けているだけでは対応しきれない中学受験は「塾なし」は厳しいかもしれません。では、集団塾・個別指導・家庭教師・オンライン塾による偏差値の伸び率や合格率はどのくらい違うのでしょうか?

中学受験総合情報メディア『ツナガル中学受験』(株式会社キュービック運営)は、過去5年以内に中学受験を経験した子どもを持つ保護者433名を対象に、学習スタイルと偏差値・志望校合格率に関する独自調査を実施しました。その結果を見てみましょう。

【「学習スタイルと偏差値・志望校合格率に関する独自調査」概要】
調査対象:過去5年以内に中学受験(一般入試)を経験した子どもの保護者433名
調査方法:インターネットリサーチ
調査地域:全国
調査期間:2025年7月25日~8月7日 調査主催:『ツナガル中学受験』(CUEBiC Inc.)

中偏差値帯は個別・家庭教師、高偏差値帯は集団塾が優位

入塾時の偏差値から受験直前までの平均偏差値上昇ポイントを集計したのが下記の表。顕著なところでは、入塾時の偏差値帯41~45のグループが「個別指導塾」の平均偏差値伸び率が+11.1ポイント、「家庭教師」が+13.3ポイントとなり、他の学習スタイルを大きく上回る結果となりました。個々の子どもの弱点を正確に把握し、一人ひとりの学習進度や理解度に合わせて最適化された指導を受けることが、成績を飛躍的に向上させる上で効果的であることが判明しました。

一方で「集団塾」は、どの偏差値帯においても平均して+5~8ポイントという安定した成績アップを実現。特に高偏差値帯の子どもは集団塾と家庭教師がさらに偏差値を伸ばす実績が見られました。

塾併用では、「集団塾+個別指導塾」がトップ

複数の塾を併用した場合の合格率では、「集団塾+個別指導塾」の併用パターンが84.78%と最高値を記録しました。これは、集団塾で基礎学力を固めつつ、個別指導で苦手克服や応用力強化を図るという、両者の利点を組み合わせた学習戦略の有効性を示唆しています。

ただし、「掛け持ちしていない」の志望校合格率も高いので、あれやこれやと取り入れなくても、ひとつの塾タイプで頑張っていくのも効果があるようです。

「塾なし受験」は全落ちとなったケースが極めて高い

一方で、塾に通わずに中学受験に挑んだ子どものうち、12.0%が全受験校で不合格となる「全落ち」の結果となりました。これは、専門的な指導や情報提供が不足する中で受験に臨むことのリスクを示しています。塾や家庭教師を利用する子は、厳しい結果を避けるセーフティーネットとして、安全校や併願校の戦略を綿密に立てる傾向があることも背景にあります。

塾パターンに特効薬はなし、我が家の受験スタイル確立を!

調査結果を受けて、『ツナガル中学受験』編集部は下記のようにコメントしています。

「中学受験へのアプローチは年々多様化しており、『集団塾』だけでなく、『個別指導塾』『オンライン指導』『塾なし受験』、さらには『複数の塾を掛け持ち』する家庭も少なくありません。しかし、『このパターンで受験すれば絶対に受かる』という特効薬は存在しません。最も大切なのは、お子様の性格や学力、そしてご家庭の方針に合わせた『我が家ならではの受験スタイル』を確立することだと考えています」

(取材・文/大友康子)