帰国生の中学受験受験3カ月前からのサポート法

冷静さを失いがちな直前期に保護者がやるべきこととは?
スケジュール、食事・健康、学習の3つについて、専門家に伺いました。
志望校を決定し、受験日を逆算して進める
直前期のスケジュール調整の基本は、第一志望校の受験日から逆算して行うこと。日本への帰国スケジュールを組み立てて、フライトや宿泊先などの手配をする。
また、日本帰国中、海外で通っている塾などのオンライン指導を受けるのか、対面の塾に通うのかも検討しておきたい。受験校に提出する出願書類の準備は、海外の学校での在籍証明、必要に応じてその和訳。学校の休みなども考慮し、できるだけ早めに取りかかろう。志望理由や自己PR、面接対策などは子どもと一緒に進めよう。
無理なく朝型に移行を、心のケアも忘れずに
受験日が近くなると子どもは夜遅くまで勉強しがちだが、実際の試験日程は午前中〜午後早め。そのため、徐々に就寝・起床時間を早めて、朝型に移行させよう。
このほか、栄養のある食事の手配や予防接種といった食事・健康面での配慮も重要だが、配慮の仕方にコツがある。それは心のケアを忘れないことだという。
「例えば、ただ栄養のある食事を出すのではなく、『脳に栄養が届く〇〇も入っているよ』などと伝えると、子どもが『頑張っているのは自分だけじゃない』と感じられて効果的です。また、買い物に連れて行ったり、スマホ使用についても『バランスボールに乗っている間は見ていいよ』などメリハリのある気分転換をさせるのもおすすめです」(大神田氏)。
詰め込みすぎず、反復させるのがポイント
直前期の家庭学習のメインは過去問を解くこと。受験校のものを最低一巡は実施したい。塾の時間ともよく調整し、「何曜日の何時からは過去問の時間」と設定しよう。間違えた問題だけを1週間後にやらせる、といったサポートも非常に有効だ。また家庭学習は決めた分量をやり切るのが基本だが、子どものモチベーションが下がっていると逆効果になることも。
「塾や学校で疲れ切っているように見えるときは、家庭学習では思い切って分量を減らすと、濃い学習ができて逆に効果が上がることもあります。子どもの様子をよく見極めてサポートしてあげてください」(大神田氏)
夏休み前のサポート法
「これを読んでくださっている今は夏休み前だと思います。出願書類や面接にプラスになる海外ならではの経験が不足していると感じたら、夏休み中に経験をさせる、ということも検討するといいでしょう」
プロフィール

JOBA教育カウンセラー 大神田 篤氏
約17年の中国駐在を経て2020年夏に帰国。JOBAにて海外生・帰国生のサポートに携わる。帰国子女入試に関する教育相談やオンライン授業などの情報は https://www.joba.jp/