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独学で東大合格した社長厳選、小学生の国語力を上げるマンガ(前編)

「マンガはダメ」ではなく国語力向上に役立つ

帰国生が苦労することが多いのが、「帰国後は難しい日本語がわからず、学校の授業についていくのが大変」といった“言葉の壁”だ。保護者にとっても、海外赴任中に我が子の日本語力を維持・向上させることは大きな課題のひとつだ。

近年は文系より理数系のほうが人気のようだが、何を学ぶにしても、日本にいる限りは、先生の話を聞いて理解したり、問題を読んで解いたり、自身の考えを発表したりする際に、日本語力=国語力が必要になってくる。したがって、国語力をおろそかにせず、多くの言葉を知り、豊かな表現力を身につけることが大切だといえる。

では、どうやって? ヒントとなる「発表」を見つけたので紹介しよう。完全独学で東大に合格した社長が、国語力を上げる小学生向けマンガ10選を発表したのだ。

この社長とは、国語特化型オンライン個別指導塾「ヨミサマ。」を運営する株式会社Overfocusの創業者で代表の神田直樹氏。「ヨミサマ。」では、今年の2月より小中学生向けの教材としてマンガの導入を開始している。神田氏は、教材として導入している作品を含む小学生の国語力向上に役立つマンガ10作品を厳選して発表。完全独学で東大合格し法学部を卒業した神田氏が、自身の経験と教育現場での知見をもとに選定したリストとなっている。

<国語力を上げる小学生向けマンガ10選>(前半)

1)『かりあげクン』(植田まさし/双葉社)
2)『コボちゃん』(植田まさし/読売新聞社)

<独学で東大合格! 神田氏コメント>(1と2について)
植田まさし先生の4コマ漫画作品はどれも秀逸なものが多く、論理力や語彙力の増強にかなり役にたちます。4コマ漫画というのは、「4コマで面白くなければならない」という性質上、どうしても読者に対して「行間を読む」という能力を要求してきます。限られたコマやセリフの中から行間を読んでいく能力は、国語の試験などでも必要な大切な力です。さらに、4コマ漫画はダブルミーニングなどの言葉遊びが多く、そのような意味でも語彙力が身につきます。

そのような良質な素材である4コマ漫画は、1つの漫画を読むのに30秒程度しかかからないため、もしよくわからないものが出てきても、どんどん次に読み進められるという点も大変おススメできるポイントです。

3)『OL進化論』(秋月りす/講談社)

<独学で東大合格!神田氏コメント>
『OL進化論』は高学年におすすめできる4コマ漫画です。基本的にはOL(女性会社員)がおしゃべりをしているシーンが多いため、よりコミュニケーションの妙を楽しむことができる4コマ漫画です。登場人物が社会人であるため、大人向けの語彙が多いのですが、流れが分かりやすい構成になっているため、大人顔負けの語彙が自然と身につく作品です。

4)『ひゃくえむ。』(魚豊/講談社)

<独学で東大合格!神田氏コメント>
スポーツ漫画の中で特におすすめするのが、100m走をテーマにした『ひゃくえむ。』です。この作者は『チ。ー地球の運動についてー』というアニメ化作品が有名ですが、国語力増強の視点だと、『ひゃくえむ。』の方が優れていると考えています。

主人公とライバルの100m走への考え方のコントラストがわかりやすく表現されています。文字だけではなく、コマの表情からも様々なことが考えられる素晴らしい作品です。上下巻で完結する短めの作品であるため、手を出しやすい点からもおススメできます。

5)『Days』(安田剛士/講談社)

<独学で東大合格!神田氏コメント>
もう一つ、スポーツ漫画でおすすめの作品がDaysです。サッカー漫画の中でも、心理表現がずば抜けて巧みな漫画であり、心情問題に苦労しているスポーツ好きな子に強くおススメします。通常、漫画は主人公の視点でのみ描かれることが多いのですが、このDaysは主人公のチームメイトの視点で物語が進行する割合が多く、様々な視点から心情を読み込む能力が身につきます。

明日掲載の(後編)に続く。