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春・夏・冬の長期休暇に 村おこしボランティアで視野が広がる!?(後編)

昨日は、「地域活性化を、みんなのものに。」をテーマに、全国各地の離島や農山漁村で学生向けの住み込み型ボランティア活動を展開している村おこしNPO法人ECOFF(以下、ECOFF)が、2024年の夏に実施した「村おこしボランティア」の成果レポートを紹介した。早速、今日もその続きを見てみよう。

参加者の9割以上が「もう一度行きたい!」

参加者に、今回訪れた地域に「もう一度行きたいかどうか」と質問したところ、98%の参加者が「はい」と回答している。

人とのつながりや優しさを感じたとの声

田舎に暮らしたいとは思わないと答えた参加者は約3割いたが、再訪は多くの参加者が望んでいるのはなぜだろうか。自由記入回答欄から分析したところ、「お世話になった人達に会いたいから」「地域の方々がとても親切だったから」「地元の皆さんが優しい方しかいなくて、また会いたいから」「人々の繋がりやあたたかさを感じたから」などの理由がもっとも多かった。

自然が魅力的だから人にも紹介したい

「今回行った地域を人に紹介したいかどうか」という設問でも、「はい」(98%)、「いいえ」(2%)という前向きな結果が出た。こちらも自由記入回答欄からその理由を分析したところ、「自然が魅力的だから」の理由が最多となった。

ネットでは得られないリアルな経験で知ることも

本プログラムの目的の中でもっとも重要なのは、地域活性化の第一歩は、まず地域に行くこと、そして地域を知ることだと実感してもらうことだ。これに対しては、100%の参加者が「はい」と回答した。その理由を自由記入回答欄から分析したところ、「実際に行くことで初めて知ることがあるから」と、ネットや情報だけでは得られないリアルな経験が必要だという意見が半数近くにのぼった。

「地域に活気が出た」と受け入れ先も実感

また、現地受け入れ責任者へのアンケートも実施し、ボランティアの受け入れをすることで、どのような良い変化と悪い変化があったかを選択肢から選んでもらったところ、良い変化としてもっとも多かったのは、「地域に活気が出た」との回答だった。

「村おこしボランティア」で成長できるワケ

参加者の多くからは、「村おこしボランティア」で得たものに、気づきや発見、新たな価値観など前向きな感想が届いている。なぜだろうか。

自身も留学経験があり、兄は留学カウンセラーの職に就いているという代表の宮坂大智さんが、「村おこしボランティア」についてコメントを寄せてくれた。

「本プログラムは「村おこし」と「ボランティア」を冠してはいますが、参加者からは「ボランティアするより、学ぶことの方が多かった」との声をたくさんいただいています。そこには、ボランティア活動を通じて農業や地域のことを学ぶだけではなく、共同生活での学びも含まれています。一概に「村おこし」と言っても様々な価値観があり、参加者が想像していたものとは全く異なるものを現地の人は考えていることもあり、多様な価値観を学べます。特に共同生活の面では、参加者だけで食事の準備や掃除洗濯を行いますので、基礎的な生活力を身につけることもできます。また、本プログラムでは現地に行く前に、活動中の目的とそれを達成するための目標を設定し、活動修了後はふりかえりを行うなど、教育的な側面もプログラムに含んでいますので、ただなんとなく毎日を過ごすことなく、参加者が成長できるように工夫されています。」

未来を担う子どもたちに必要な力とは

最後に、代表の宮坂さんに保護者の方へのメッセージを聞いてみた。

「地球温暖化や紛争、拡大する貧富の差など、私たちは次世代にたくさんの課題を押し付けようとしています。私たちにできることは未来を担う子どもたちに、そんな社会を生き抜くための本質的な力を与えることではないでしょうか。私たちのプログラムは大学生向けに最適化されていますが、これまでに参加された小中高校生も少なくありません。実は保護者の方がお子さんの申し込みをされる場合は参加をお断りしているのですが、もし、ご本人が参加を強く希望された場合は、普段の生活でも、海外での生活でも得られない貴重な経験をし、大きく成長して帰ってくるはずです。少しでも気になったら、お気軽にお問い合わせください。」

次回の開催は、年末年始と春期休暇に実施予定だという。気になる人はHPをチェックしよう。

(取材・文/小野眞由子)