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2025年版|帰国生入試で大学に入る方法①

人気が集中する傾向にある大学の「帰国生入試」。十分な知識習得と試験対策が必須です。

出願資格

帰国生入試に出願するための資格は、大学(学部・学科)によって様々だ。代表例は次の通り。

海外での学校種別
対象は、「海外で外国の学校教育を受けた者」で、「日本の教育制度の高校に通った者」を含まないケースが多い。

海外の学校での在籍期間
多いのは、学校教育課程12年のうち、「海外の高校に最終学年を含めて2年以上継続して在籍している」こと。

帰国後の日本の高校在籍
海外の高校を卒業していることを条件とする大学(学部・学科)が多い中、帰国後の日本の高校での在籍・卒業が年数制限付きで認められる場合もある。

高校卒業後の経過年数
当該年度の卒業(または年以内)の卒業者に受験を認める場合がある。

飛び級・繰り上げ卒業
学校教育課程の12年未満での卒業は、認められることが多い(証明書が必要)。

単身残留
保護者の赴任が出願資格とされる場合でも、「保護者が帰国した後、単身で在留した者」の受験が認められることがある。

選考方法

選考方法は、志望する系統(文系学部・学科と理数系学部・学科)で分けると次のように大別される。

系統別、帰国生入試の一般的な組み合わせ

文系学部・学科
●書類審査
●筆記試験[小説文、国語(現代文)、外国語(主に英語]
●面接

理数系学部・学科
●書類審査
●筆記試験[小論文、外国語(主に英語)、数学、理科(物理・科学・生物から1~2を選択)]
●面接(学科面接を含む)

上記に加え、英語の資格試験(多くはTOFEL®)のスコア提出を課す大学が多い。これをふまえ、大学(学部・学科)が合否の評価を下すときにどれをどの程度重視するかは、次の3つに大別される。

合否の判断基準代表的な3パターン

❶書類審査重視型
重視される出願書類は、「(SAT®、GCE®、IB®など)各国の教育制度に基づく統一試験のスコア」、「海外で在籍した学校での成績や活動歴」、「(TOFEL®、IELTS®など)語学運用能力試験のスコア」が代表例だ。

こうした大学(学部・学科)では、統一試験のスコア提出ひとつをとっても、科目、その提出方法など、細かい規定が設けられていることが多い。

❷当日の入試成績重視型
外国の教育制度や水準が国・地域によってまちまちで、一定の基準で評価することが難しいため、大学(学部・学科)が独自に設定した入学試験を重視するところも。

内容は、大多数が、「小論文」、「学科試験」、「面接」の組み合わせだ。とはいえ、出願書類の内容をまったく見ないわけではなく、ボーダーライン上での合否の参考資料として使用する場合もある。

❸書類審査・入試成績折衷型
偏らず、❶と❷を総合的に判断する大学(学部・学科)もある。第一次選考は書類審査、第二次選考が面接・筆記試験、というパターンに代表される。

情報収集

こうした複雑な大学入試を乗り切るには、海外滞在中から早めに情報を収集し、意思を固めておくことが大切だろう。

情報収集にはウェブサイトが便利だが、大学(学部・学科)個別のもの以外に「大学選びの総合サイト」もチェックしたい。在学中に取得可能な資格や卒業後の進路など、学校の特徴を把握できるだけでなく、卒業後につながる職業適性を判断できるものなど多岐に渡る情報を得られるからだ。

各大学(学部・学科)では、入学希望者を対象にしたイベントも数多く開催している。「オープンキャンパス」では、学長の講演、研究室訪問、授業体験、個別相談会、キャンパスツアーなどを実施している(2023年度は対面形式での実施も戻ってきている)。

出願書類の手配&作成上の注意点

1. 入学願書一式
帰国後の日本の住所が未定で仮住所が必要なときは、親類などに了解をとっておく。

2. 最終学校の卒業(修了)証明書または卒業見込み証明書
多めに依頼。卒業証書のみを発行する学校なら、そのコピーに学校の公印や学校長のサインをもらう。学年の区切りの違いなどで卒業見込み証明書の出る時期が出願に間に合わない場合は、大学側に事情を説明。

3. 現地在籍校の成績証明書
高校の成績証明書(学校印のある成績表のコピー)は全て必要。海外での在留期間を証明するため、中学の成績(在籍)証明書まで要求されることも。イギリスに滞在している場合は、スクールレポートのすべてをコピーして提出させる大学もある。

4. 統一試験のスコア証明書
試験実施機関からのオフィシャルスコアの直接送付義務があれば、日にちに余裕を持つこと。オセアニア圏の統一試験は結果が出るのが遅いため、日本の大学の合否が判明してから送付するケースもある。

※語学運用能力試験のスコア証明書、またはそのコピーを提出させる大学もある。

5. 海外在留証明書
「保護者の赴任に帯同」という点を証明する書類で、通常保護者の勤務先が発行する(在外公館が発行する場合も)。提出を求めるのは「保護者の赴任に帯同して」海外に渡航したことを条件とする大学。

6. 推薦状
学校長のサインを求める大学もある(多くの大学は学校教員で可)。翻訳や厳封が必要な場合は指示に従う。大学が指定した用紙を使う場合がある(東京大学など)。

7. 海外歴
出・入国日や、小学校以降の転出・転入日は正確に記入のこと。

8. 志望理由書
文字数指定は800字、1000字、1200字など。願書の一部に欄を設けている大学もある。

9. 受験料納入証明書
「コンビニエンスストア振り込み」が一般 的(クレジットカード決済を認めている場 合もあり)。また、WEB出願を行ってい る大学では、「ATM振り込み」、「ネット バンキング」などの利用が可能なところも。

10. 日本国内の高校の在籍期間証明書
渡航前または帰国後に日本国内の高校に在籍した場合は、在籍期間証明書が必要。早めの依頼を心掛けたい。日本の高校に数カ月でも通った場合は必要になる。

11. 写真
スピード写真不可や、画像データを求める大学も。

12. パスポートのコピー
一部の大学で出願時に必要。

情報の窓口|海外での情報収集に便利なウェブサイト

情報の窓口|海外から取り寄せできる進学ガイドブック

監修(DATA除く)/SAPIX国際教育センター