昨日は「日本トレンドリサーチ」と「青山ラジュボークリニック」が高校生以下の子どもがいる全国の男女を対象に行った、「子どもがなりたいと言ったら反対する職業」についてのアンケートをチェックした。
88.1%の保護者が、子どもの将来の夢がどんなことでも「応援しようと思う」と回答。「子どもが夢を持つことは大事、それを応援するのは親としての義務」「夢、なりたい物を自分で見つけられたことをまず喜びたいから」など、その理由も至極真っ当で、「子どもが苦労しないように」などと先回りして、応援するのを躊躇する姿勢を反省しなければと思わされる意見が目立った。
とはいえ、「非常に才能が必要な職業になりたくても無理ではないか」とか、「その職業で食べていけるのだろうか」などと心配してしまうのも親心。本日はそんな「応援できない理由」や「どんな職業は応援できない」か、などを詳しく見ていこう。
子どもの将来の夢を必ずしも応援できない、その理由は?
「子どもの将来の夢がどんなことでも応援できるわけではない」と答えた11.9%の人に、その理由を尋ねると、下記のような声が寄せられた。
- 最低限稼げる仕事をすすめたいから(30代・女性)
- 明らかに才能がないものになりたいと言われても反対する(60代・男性)
- 成功の要素が低いものを志望した場合には積極的に応援しようとは思えない。少なくとも別に定職を持ったうえで活動し、収入が安定した時点でその職業一本にするなら応援する(50代・女性)
- その職業で食べていけるなら応援するけど、食べていけないなら、副業くらいにとどめてほしい(30代・女性)
子どもがなりたくても応援できない職業は何?
「どんなことでも応援できる訳ではない」と回答した方に、もし子どもが「なりたい」と言っても応援できない職業を聞いたところ、「お笑い芸人」が25.8%と、もっとも多い結果となった。続いて「YouTuber(動画配信者)」と「インフルエンサー」がともに19.4%で、2番目となった。
昨日紹介した「子どもがなりたいといったことがある職業」と、順位こそ多少は違うものの、見事にかぶっている。子どもの夢すべてを応援できるわけではないと思う保護者は、子どもが憧れる職業をこそ反対するようだ。
なぜ応援できないのか、それぞれの職業ごとにその理由を見てみよう。
「お笑い芸人」その夢を応援できない理由は?
- 売れる可能性の方が少ないから(30代・女性)
- 安定性、職業としての価値が特にわかりにくいから(30代・男性)
- お笑い芸人は成功できるのは一握り(40代・男性)
- 笑いを創ることは大変そうだから(60代・男性)
「YouTuber(動画配信者)」その夢を応援できない理由は?
- 事務所などもあるようだが、個人的に好き勝手やっているイメージがある。(40代・女性)
- 流行り廃りがありますし、きちんと稼げる本業は持っていてほしい。楽しむための副業なら大丈夫です(40代・女性)
- 世の中そんなに甘くはない。youtuberは楽してお金を稼ぎたいと言う安易な考えだから。人生約40年以上は働かなければいけません。安定した仕事に就くのが1番いいから(60代・男性)
「インフルエンサー」その夢を応援できない理由は?
- 子どもがなる時代にはもう流行っていないと思う(40代・女性)
- 食べていくのが難しそう(30代・女性)
- 職業として不安定だから(60代・男性)
「プロゲーマー」その夢を応援できない理由は?
- ゲームは遊びだと思うから(30代・女性)
- ゲーム関係は無理。理由は特にない。ゲーム自体が親として好きではないから(50代・女性)
挑戦は大きな経験
日本トレンドリサーチは「結果はどうであれ、子どもがなりたいと思ったものに挑戦させてあげることは大きな経験となるでしょう」とコメントする。
「子どもの将来の夢がどんなことでも応援しようと思う」9割弱の保護者はさすがだが、「必ずしも応援できない」とする1割強の保護者の親心もよく分かる。子どもも成長すると現実的になるので、実際にお笑い芸人やYouTuberを目指すと言われるケースはそれほど多くはないだろうが、「子どもの将来の夢がどんなことでも応援できるのか」、この命題に一度向き合ってみるのはなかなか意義深いかもしれない。
(取材・文/大友康子)