国際基督教大学(ICU)教養学部(ダブルメジャー:教育学/言語教育) 4年生 Y・Fさん(21歳)
※2022年11月インタビュー当時
渡航歴
時期 | 場所 | 学校 |
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6歳~15歳(中3・3月) | 日本 | 公立小→国立大付属小→国立大附属中 |
16(G10・5月)~17歳(G12・5月) | カナダ・ブリティッシュコロンビア州 | 現地私立校 ※1年飛び級 |
17歳(大1・9月)~現在 | 日本 | 私立大学 |
自分に向き合い、努力し続けたカナダ生活
Y・Fさんが高校留学を考え始めたのは、国立大学付属の中学2年生の時。夏休みを利用してカナダに短期留学したことがきっかけだ。
「付属高校への内部進学、という選択肢もありましたが、『環境の全く異なる海外で、勉強や生活をしてみたい』という思いが勝りました。カナダから帰って3カ月ほど考え続け、両親とも相談し、中3の春に留学を決意しました」
希望が叶い、カナダ・ブリティッシュコロンビア州にある私立高校に入学。留学生が生徒の大半を占める国際色豊かな学校で、メキシコや台北からきた寮のルームメイトとは親友になった。
「当初、英語力は日本の中学卒業レベルしかなかったので、放課後にも先生に質問したり、エッセイを何度も修正したりして、一生懸命身に付けました。現地校では考える授業が多く、面白かったです。好きだったのは、地理や環境と人間の生活を結びつけて学ぶ『人文地理学』の授業。また、取得単位の一つに学内外でのボランティア活動があったのですが、それも頑張りました。」
学校図書館や学内行事の運営など、卒業までに累計で960時間ものボランティア活動を行ったという。そうした忙しい生活を続ける一方、Y・Fさんはカナダで新しい自分に気づかされる。リーダーをすることの喜びだ。
「もともとリーダーシップをとるのは得意でないと思っていたのですが、寮の先生に薦められて寮のグループリーダーを務めてみたら、すごくやりがいがあって。調子が出てきて、生徒会活動にも取り組みました」
困っている人の役に立てるよう、力を磨きたい
Y・Fさんは高校の卒業単位を通常より1年早い2年間で取得。外国の教育制度で学んだ人を対象とする入試制度で、現在通う国際基督教大学(以下、ICU)に見事合格した。
「ICUに決めた理由は、留学生が多くカナダの高校と学習環境が似ていることや、少人数対話型教育であることでした。それと、父が『インターナショナルで自由な学風が向いているのでは』と薦めてくれたことも決め手になりました」
9月にICUに入学し、31のメジャー(専修分野)の中から教育学をメインの専攻に選んだ。それは、カナダの寮生活で、ある経験をしたからだという。
「寮で生徒同士のトラブルが起きたとき、寮のスタッフが解決に導いてくれる過程をグループリーダーとして目の当たりにしまして。教育学を学べば、教員の立場からこうした生徒の問題にもアプローチできる力が身に付くのではないか、と考えたんです」
教育学を学ぶ中で、環境研究や哲学・宗教学、西洋古典にも興味が広がり、古典哲学と関係するギリシャ語の勉強もした。課外活動にも積極的で、2022年度の大学祭では実行委員長を務めた。
「3年ぶりに学外から来場者を招くことができました。実行委員会は総勢130名と大所帯で、しかも運営には企業などとも連携が必要でしたが、皆さんと協力して無事に乗り切ることができました」
現在、4年生のY・Fさん。卒業後は、社会福祉士の資格を取得できる大学への学部編入を考えているとおい。ICUでメインに学んできた教育学と、社会福祉士という目標には、「困っているひとの役に立ちたい」というY・Fさんの思いがベースにある。
「大学に通いながら大学近くの総合病院内にあるコンビニエンスストアでアルバイトをしていたのですが、そこで言葉が通じずに困っている外国人に多く出会いました。私自身もカナダで言葉が通じず不安な思いをしたことがありますから、気持ちはよくわかります。病院でのアルバイトを通して、直接、患者さんやその家族の役に立てることは何だろうと考えた末、病院に勤務する社会福祉士を目指すことにしました。今は勉強中の身ですが、将来はこれまでの経験を活かして、より多くの人を助けたいと思っています」
親への感謝
高校留学できたことは自分にとって非常に大きな経験でした。その道を選ばせてくれたこと、支援してくれたことに感謝しています。また、大学の進学で悩んでいた時に、一緒に考え、アドバイスをくれたことも、とても嬉しかったです。