【お悩みパートB 親自身のこと】
人間関係も夫婦関係もうまくいかず、心はもうヘトヘト…
日本人同士の人間関係、ホームシック、夫婦関係、言葉の問題、生活への違和感。親自身の心を疲れさせる5種類のお悩みをクローズアップ。
親自身のこと①
日本人同士の人間関係が濃厚すぎて、うまくつき合うのが難しい
慣れない外国暮らし。「同胞として支え合える仲間がいたほうがいい」と思って交流を深めた結果、日本人同士の人間関係自体が悩みの種になることも。現地人の友人に相談するのも何だかおかしい気がして…。
臨床心理士
中里文子氏のことば
一緒にいて苦しい相手との関わりは必要最小限にして、浮いた時間は自分が楽しいと思えることに使いましょう。集団主義から個人主義へ。
さまざまな場で楽しみを見つける努力を
中里氏のもとにも「日本人会での暗黙のルールに苦しんだ」「お茶会への参加を強いられ、欠席したら無視されるようになった」といったお悩みが寄せられることがあるという。
こんなときに、できることとは?「日本のママ友との関わり方と同様に、一緒にいて苦しい相手とはまず距離をとって、関わりを必要最小限にします」(中里氏)
浮いた時間は、例えば大学の講座に参加すること、日本にいる友人たちとSNSで交流することなどに使う。
現地の日本人同士の付き合い以外の場で楽しみを見つけられれば「彼女たちとの付き合いは、今の自分にとってのすべてではない」と感じられ、スッと気持ちがラクになるはずだという。
また、日本人が持ちがちな「集団主義」の考え方から脱するのも得策とのこと。「自分だけ、あるいは家族で楽しめる体質に自身を変えてみましょう」(中里氏)
同じように苦しむ仲間を見つけて分かち合う
さらに「日本人会にいるのがつらそう」という気配を感じる人がいたら、その人とお喋りする機会を見つけて、互いに胸の内を伝え合ってみるのも一案だそう。
「どの立場の人にも悩みはあるはず。お互いの状況を理解して心を軽くしあえたらいいですね」(中里氏)
お話を伺った方
臨床心理士 中里文子氏
「AGカウンセリングオフィス」の代表。心理カウンセリングや教育相談、児童相談所での虐待通報・子育て相談、駐在員の家族のメール相談などを行う。「気が重いなあ」「不安だな」と心の病気の小さな芽が出始めたとき(症状が深刻になる前)のカウンセリングを重要視する。
https://agc-office.com
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