【お悩みパートA 子どものこと】
なるべく自然に、子どもの苦労や悲しみを減らしてあげたい
語学力、学校生活、現地と日本の勉強の両立、帰国後の進路、帰国に対する葛藤。我が子を苦しめるお悩み5種類の対処法を見ていきましょう。
子どものこと②
現地の学校になじめない。心を許せる友だちがひとりもいない様子
現地校やインターに通い始めたはいいけれど、英語が話せず、雰囲気にも面食らって、クラスで孤立してしまった我が子。日本にいた頃の楽しい学校生活とは打って変わって、親子共々、どんよりとしてしまい…。
臨床心理士
中里文子氏のことば
「言わずとも察してほしい」は、日本独特の考え方。保護者の気持ちを学校へ意識的に伝えることが、子どもの孤立を防ぎます。
先生と話して状況が変わるケースは多い
「まず『言わなくても察してほしい』という考え方は、日本独特のものなのだと頭に入れておきましょう」と話すのは中里氏。
子どもを現地校やインターに通わせている場合は特に、片言でもいいので保護者自身の考えを定期的に学校側へ伝える努力をして、言葉や文化の違いから生じる誤解を軽減していくこと。
これこそが、子どもの孤立を防ぐポイントだという。
家ではリラックス優先、学校の話はしなくてOK
子どもが帰宅したら、保護者は心配のあまりつい学校でのことを聞きたくなってしまうものだが…。
「家では学校の話を持ち出すよりも、一緒に出かけたり料理をしたりして新しい発見や嬉しい出来事を一緒に楽しみ、リラックスできる時間を共有するのがいいでしょう。
そんな時間を子どもは『逃げ場』や『活力』とします」(中里氏)
また、我が子のことを少しでも気にかけてくれる友だちがいたら、自宅に招いて、交流を深めるのを手助けするのもおすすめだそう。
子どもは「明日はあの子と一緒にあれをして遊びたいな!」「あんなことを話してみようかな?」などと考えるようになり、それが学校へ行く楽しみとなって、学校に馴染むきっかけにもなり得るという。
お話を伺った方
臨床心理士 中里文子氏
「AGカウンセリングオフィス」の代表。心理カウンセリングや教育相談、児童相談所での虐待通報・子育て相談、駐在員の家族のメール相談などを行う。「気が重いなあ」「不安だな」と心の病気の小さな芽が出始めたとき(症状が深刻になる前)のカウンセリングを重要視する。
https://agc-office.com
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