子どものネット利用の実態と保護者の把握具合等を調査
総合人材サービス・パーソルグループのパーソルプロセス&テクノロジー株式会社(東京都江東区)は、日本全国の公立小学校の教員300名と公立小学校に通っている子供を持つ保護者300名、計600名を対象に「ICT教育に関する実態・意識調査」を実施した。その結果、教員と保護者とのICT教育の普及における認識の違いが浮き彫りになった。
調査ではほかに、現状のICT教育に関する満足度や教員・保護者それぞれの立場からの声や要望なども明らかになった。
本日、明日とで、詳しく見ていこう。
■「小学校のICT教育に関する実態・意識調査」
調査機関 | 2022年4月15日(金)~4月20日(水) |
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調査方法 | インターネット定量調査 |
調査対象 | 日本全国の公立小学校の教員 日本全国の公立小学校に通っている子供を持つ保護者 |
ICT教育に関する認識、教員と保護者で食い違い鮮明
小学校の教員と保護者に対し、「新型コロナウイルスの流行により、小学校におけるICT教育の普及は加速したと感じますか?」と質問したところ、「とても加速した」「やや加速した」と回答した教員が合わせて9割を超えた。
一方、保護者の回答は「とても加速した」「やや加速した」の合計が6割弱にとどまり、「やや遅れている」「とても遅れている」「コロナ以前と変わらない」などの「進んでいない」とする保護者が約4割に上った。
なぜこのような差が生じたのだろうか? それは教員と保護者間で「ICT教育が普及した」とする到達地点に違いがあったからだ。「ICT教育は加速したか」に「はい」と答える理由として、教員ではオンライン授業自体が普及したことを挙げる声が多数みられた。
一方で、保護者では、通常授業も含めタブレットを活用した授業の実施等、本質的なICT教育を求めていたからだ。
以下は認識の差がよく分かる、教員・保護者のコメントの一例。
ICT教育が加速した理由
教員コメント
- 休校になった際にタブレットを子供達が自宅で使用したり、オンラインで授業が行えるようになったから(女性、20代)
- オンライン授業など、できなかったことが一気にできるようになった(男性、30代)
- コロナの影響が一番大きい。始業式や全校朝会など集まることが叶わない時にはオンライン授業など工夫が見られる。(これは本質では)30代)
保護者コメント
- ICTを使っている感じがしないから(男性、40代)
- ニュースで言われていたほど、子供の話を聞くと普及してない感じがする(男性、40代)
- タブレットの持ち帰りができない。デジタル教科書が全教科導入されているわけではない(女性、40代)
- タブレット支給はあるが学習が伴っていない(女性、40代)
- タブレットは配られたが、ほとんど活用されていない(女性、40代)
- タブレット端末を使った授業があまりないから(女性、40代)
明日も調査結果の続きを見ていこう。
(取材・文/大友康子)