子どものネット利用の実態と、保護者の把握具合などを調査
情報モラル教育やプログラミング教育の支援を行う株式会社教育ネット(神奈川県横浜市)は、小中学生とその保護者に対してネット利用の実態を調査。同社の研究開発部門である「教育ネット総合研究所」が調査結果の集計・分析を行い、調査のテーマごとに結果をHP上で公開している。
今回は、4月26日公開【実態調査結果_ネットで知り合った人】と5月18日公開【実態調査_SNSの利用 児童生徒と保護者の認識の差】について見ていこう。
【調査概要】
対象 | 教育ネットが支援している日本全国の自治体の小学校・中学校の児童・生徒3万7291人とその保護者 |
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調査期間 | 2021年4~12月 |
総質問 | 質問21問 |
主な質問項目 | ICT機器の所有について、サービス利用、利用時間について等 |
中3生の4割「インターネットで知り合った人がいる」
調査内で小中学生に「インターネットで知り合った人がいる」かどうかを聞いたところ、「いる」と答えたのは、小学1年生1.8%、2年生3%、3年生8.4%……、と学年が上がるにつれて徐々に増加。中学生になると、1年生は29.6%、2年生35.7%、3年生40%と、決して少なくない生徒が「インターネットで知り合った人がいる」ことが分かった。
教育ネットは「これは様々なSNSやオンラインゲームなどが普及し、ネット上での出会いが子ども達にとって、日常的になっているからだと考えられる」と分析する。
「インターネットで知り合った人がいる」小1は2018年から6倍に増加
本調査の2018年度からの推移を比較してみると、ほとんどの学年において、年々「インターネットで知り合った人がいる」割合が増加している。
小1は0.3%から1.8%に上昇しているので、その増加率たるや6倍。小2は0.4%から3%に増加しているので、7.5倍だ。中1は16.7%から29.6%と12.9ポイント、中2は12.8ポイント、中3は11.3ポイント増加と、中学生も増加率が大きい。
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
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小1 | 0.3% | 0.4% | 1.1% | 1.8% |
小2 | 0.4% | 0.9% | 1.3% | 3.0% |
小3 | 5.6% | 4.5% | 8.7% | 8.4% |
小4 | 7.8% | 8.5% | 9.9% | 12.2% |
小5 | 10.2% | 12.5% | 16.2% | 18.1% |
小6 | 13.8% | 17.2% | 20.3% | 24.3% |
中1 | 16.7% | 23.3% | 25.0% | 29.6% |
中2 | 22.9% | 27.3% | 34.2% | 35.7% |
中3 | 28.7% | 33.9% | 36.8% | 40.0% |
「インターネットで知り合った人に実際に会いに行ったことがある」小中学生は2.4%
また、「インターネットで知り合った人に実際に会いに行ったことがある」かどうかを聞いたところ、2021年度は小中学生全体で2.4%だった。これは、42人に1人がネットで知り合った人に会ったことがあるということになる。
これを2018年度調査結果と比較すると、特に小学3年生と中学2年生が増加しており、ともに0.9ポイント増加。次に小学2年生・6年生がともに0.7ポイント増加している。
教育ネット総合研究所は「インターネットを通じた繋がりは利点もあるが、若年層は悪意にさらされるリスクもあることから、保護者が自己防衛の自覚を促す必要性がある」と指摘している。
明日は、5月18日公開【実態調査_SNSの利用 児童生徒と保護者の認識の差】をチェックしよう。
(取材・文/大友康子)