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就活経験者に聞いた「大学進学に関する調査」(前編)入学した大学に「90%以上満足している」は37.3%

就活サイト「キャリタス就活」を運営する「株式会社ディスコ」(本社:東京都文京区)が、2022年春に大学または大学院を卒業する学生を対象に、大学選びの際に着目した点や大学進学時のキャリア意識を調査。入学後の学業への取り組み姿勢や就職先企業への満足度との関連性を調べた。

調査対象は2022年3月に卒業予定の大学4年生のうち就職先企業を決定した人(理系は大学院修士課程2年生含む)822人(文系男子232人、文系女性268人、理系男子223人、理系女子99人)。キャリタス就活2022 学生モニターを対象にインターネット調査で行った(調査期間は2021年12月15日~24日)。

入学した大学の「満足度100%」は19.7%、「満足度50%未満」は5.7%

これによると、入学した大学(学部、学科)に「90%以上満足している」と回答した割合は全体の3割強(計37.3%:「満足度100%」は19.7%、「90%台」17.6%)。満足度の平均値は78.3%で、大学への満足度は総じて高いことが分かっている。満足度の平均値に文理や男女での大きな差はないが、女子においては比較的高く、文系女子79.2%、理系女子は79.3%に上った。なお、「50%未満」と回答した割合は全体の5.7%だった。

入学前にイメージしていた大学生活と実際とで、どの程度ギャップを感じたかを尋ねる質問では、「とても感じた」は1割未満(7.7%)にとどまっていたものの、「やや感じた」(33.3%)を合わせると、4割を超える学生がなんらかのギャップを感じていた(計41.0%)。

【大学入学前後のギャップの具体的な内容】

《悪いギャップ》

  • 自由に授業を選べると思っていたが、科目の単位の制約で自由とはいえなかった。<文系男子>
  • 入学する前に思っていたよりも、専門性が高すぎた。<理系女子>
  • キャリアサポートセンターの体制が思っていたほど手厚くなかった。<文系女子>
  • オープンキャンパスに行ってなかったので、都内でもこんな田舎があるのかと驚いた。<文系男子>

《良いギャップ》

  • 遊んでいる人が多いかと思ったが、意外と学びの機会が多く、みんな賢くて勤勉だった。<文系女子>
  • 地方の大学だから活気がないとか、先生の授業が人気ないとか、マイナスイメージが強かったけれど、刺激を受ける人がたくさんいて、成長意欲がわいた。<理系女子>

寄せられたコメントからは、事前の情報収集不足がギャップに結びついているケースが多いことがうかがえる。

受験をやり直せるとしても「同じ大学・学部を選ぶと思う」は41.7%

「もしも大学受験をやり直せるとしたら、同じ大学・学部を選ぶか」という問いに対して最も多かった回答は「同じ大学・学部を選ぶと思う」で4割を超え(41.7%)、次いで「他の大学の、同じ系統の学部を選ぶと思う」が28.6%と続いた。学部によらず「同じ大学を選ぶ」を足し合わせると計50.7%に上り、「別の大学」の計45.3%を上回っている。大学によらず「同じ学部を選ぶ」と回答した割合は計70.3%。大半の学生が、学部系統の選択に満足していることも明らかになった。

【大学受験をやり直せるとしたら……】

《同じ大学の別の学部を選ぶと思う》

  • 別の学部の内容にも興味があり、そちらはカリキュラム上あまり取ることができなかったため。<文系男子>
  • 理工学部所属だが、実際学ぶ中で、自分は文系向きだったのではないかと思ったから。<理系女子>

《他の大学の同じ系統の学部を選ぶと思う》

  • やりたいことは変わらないと思うが、やはり大きな大学の方が研究設備や研究資金が潤沢だと思うから。<理系男子>
  • 今の専攻に不満はないが、もっと上のレベルの大学で学んでみたいから。<文系女子>

《今の大学の別の系統の学部を選ぶと思う》

  • 今の大学生活も楽しかったが、やり直せるなら他の地域で生活をして、別のことを勉強してみたいから。<文系女子>
  • 入れるところではなく、やりたいことを重点において考えたい。<文系男子>

志望校を選ぶ際にチェックするべきポイントについて75.2%が「学べる内容」と回答

志望校検討の際に調べたことと、実際に大学生活を送った上で「チェックしておくとよい」と思ったことを尋ねたところ、どちらも1位「学べる内容」、2位「学校の立地・周辺環境」と上位2項目は共通していた。

【志望大学を検討する際に参考になった情報や調べ方】

  • 受験生向けのパンフレットを参考にした。学べる内容や奨学金、就職先、学部学科の詳細情報などさまざまな情報が過不足なく掲載されていて参考になった。<文系男子>
  • 大学祭に行くと、自然と学内の立地や雰囲気を知れた。また、オープンキャンパスは自分が学びたい分野が学べるかということを知るのに役立った。<文系女子>
  • 大学のホームページやパンフレットに記載されていた先輩の一日のスケジュールなどが、具体的に大学生活を想像できて特に参考になった。<理系女子>
  • 大学の研究室のWebサイトで研究内容を調べた。<理系男子>
  • 大学が公開している就職先情報や、取得可能資格をネットで検索した。さらに、その大学に通っている姉や兄がいる人に話を聞いたりもした。<文系女子>

後編では、就職先と大学生活の関連性についての検証結果を紹介する。

<取材・文/松井さおり>