2027年卒業予定の大学生、初任給の使い道は「両親・家族」が最多

入社予定先の初任給額をどう思う? 使い道は?

2027年3月の卒業を前に、すでに企業の内定を得ている学生たちは初任給の額についてどのように思い、そして、人生一度の初任給を何に使おうと思っているのでしょうか? そのあたりが分かる、株式会社マイナビ(東京都千代田区)の「マイナビ2027年卒 大学生キャリア意向調査6月<初任給について>」を見てみましょう。

【調査概要】「マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査6月<初任給について>」
○調査期間/2026年6月25~30日
○調査方法/マイナビ2027会員(退会者含む)にWEB DMを配信し、インターネットアンケートより回収
○調査対象/2027年3月卒業予定の全国の大学生、大学院生
○有効回答数/1439名(文系男子250名、理系男子308名、文系女子596名、理系女子285名)
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合があります。

7割以上が入社予定先の初任給に満足

物価上昇に応じ、ここ数年、初任給も引き上げられる傾向にあります。保護者世代の初任給より、5万、10万とアップしているのではないでしょうか?

関連記事:新入社員の初任給は昨年比8999円アップ

そんな初任給アップ傾向の世を生きる2027年卒業予定の学生に対し、入社予定先の初任給への満足度を聞いたところ、「満足している」は76.8%(「とても満足している(21.8%)」+「満足している(55.0%)」の合計)」で、7割以上の学生が満足していることがわかりました。

そして、初任給の平均は27万4510円。初任給の満足度別にみると「満足している」学生は平均28万1464円で、「満足していない」学生は平均24万8073円と、約3万円以上の差がみられました。

初任給の使い道、堅実に「貯蓄」も多数

初任給の使い道について聞いたところ、「両親・家族」に使いたいという回答が最も多く、具体的には、「親に美味しいご飯をご馳走する」「プレゼントを贈る」など、これまで育ててくれた両親や家族への感謝を形にしたいという声が多くみられました。教育費の負担から解放されたところで、就職した子どもから初任給で何らかのプレゼントをしてもらえる、親としてこれほど嬉しいことはないでしょう。

2位は「貯金・貯蓄」。「NISAなどの投資に回したい」といった資産形成を意識した回答もみられ、若年層の間でも将来を見据えたお金の使い方への関心が広がっている様子がうかがえます。保護者世代が若い時分には「貯金・貯蓄」はこんな上位ではなかったのではないでしょうか。今の若者はなかなか堅実で、頭が下がります。

3位は「生活費」。「一人暮らしにかかる費用に充てる」など、新生活の準備に活用したいという意見も挙がりました。

一方で、「初任給で買ったものとして思い出に残る品を購入したい」といった、社会人としての第一歩を記念する特別な買い物をしたいと考える意見もみられました。

平均的な金額であれば、初任給より希望条件を優先

入社予定先の決定に対し、初任給がどの程度影響したのかを聞いたところ、「影響があった」学生は65.8%。

また、入社予定先の決定に関して初任給の優先度を聞くと、「平均的な金額であれば、希望の条件を優先する(37.1%)」が1位。この結果から、学生は初任給の高さだけではなく、仕事内容や働く環境など、自身が希望する条件とのバランスを考慮しながら入社先を決定している様子がうかがえます。

一方、入社予定先の初任給に「満足していない」と答えた学生に対し、初任給が自分の希望に満たない場合でも魅力的に感じる企業の特徴を聞いたところ、「希望勤務地で働ける(46.5%)」がもっとも多く、次いで「希望職種の仕事に就ける(38.2%)」が続きました。

学生は自身のキャリアや働き方に関わる条件を重視

マイナビキャリアリサーチラボ研究員・中島英里香(なかしま・えりか)氏は調査結果を統括し、次のように述べます。

「本調査では多くの学生が、入社予定先の初任給に満足していることがわかりました。一方で、初任給に『満足していない』学生は、『満足している』学生と比べて実際の初任給水準が低い傾向にありました。

しかし、初任給が希望する水準に達していない場合であっても、『希望勤務地で働ける』『希望職種の仕事に就ける』といった就業条件が、企業の魅力につながる可能性がうかがえました。

一方で、職種別コースを導入している企業や、初期配属の確約を行っている企業はいずれも約4割にとどまっており(「マイナビ2027年卒企業新卒採用予定調査」)、企業側の受け入れ体制にはまだ差がある可能性もあります。学生は初任給だけでなく、自身のキャリアや働き方に関わる条件も重視していることから、こうした希望と企業が提供できる就業条件とのすり合わせを柔軟に行える体制づくりが、今後の採用活動において重要なポイントになるのではないでしょうか」

(取材・文/大友康子)