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子どもの就職活動、親はどう思った?(後編)

 昨日は、株式会社マイナビ(東京都千代田区)が行った「就職活動に対する保護者の意識調査」をご紹介。子どもの就職先への希望は「経営が安定」が半数以上で、働いてほしい会社1位は「公務員」。22年卒就活生の保護者の約半数が「オヤカク(親・保護者への内定受諾に関する確認)」を経験した、という現状を見た。

 本日は、自身の就職活動と比べて子どもの就職活動をどう思ったかや、これから子どもが就職活動を迎える保護者へ向けた先輩としてのメッセージを見ていこう。 


約7割の保護者「子どもの就職活動は大変」

 自身の就職活動と比べて子どもの就職活動をどのように思うか聞いたところ、「大変だと思う」(「すごく大変だと思う」+「大変だと思う」の合計)と回答した割合は67.4%だった。世代別に比較すると、就職氷河期に就職活動を経験した世代では「大変だと思う」が53.1%で、バブル期に就職活動をした世代の71.5%より18.4ポイント低かった。保護者が就職活動を行った時期によって、子どもの就職活動環境に対するとらえ方に違いがあることがわかる。

保護者の就職活動と比べたとき、子どもの就職活動をどう思うか


親の知っている優良企業の格付けは、30年古い!

 調査の最後には、就活生の保護者としての自身の経験を踏まえ、この春から就活をスタートさせる2023年卒学生の保護者に対してメッセージを募った。「親の知っている優良企業の格付けは、30年古いと認識すべき」、「コロナ環境で就活が変わってきているので、保護者も情報収集などが必要」など、保護者自身の就職活動への価値観をアップデートすることを勧めるものもあった。

 以下は、後輩保護者の方々が特に参考にしたいメッセージだ。

(息子/母親)
就職活動は先手必勝に近い。あっという間にエントリー期間が終了してしまうので、のんびりしているお子さんには親側も関わった方がいいと思う。

(息子/父親)
子供を信じててほっといたが、大変なことになっていた。子供が話さなくても進んで就活状況を聞くべきだった。

(娘/母親)
子供任せにしないで親も一緒に就活するつもりで勉強して欲しいが意見を押し付けてはいけない

(娘/母親)
子供の話をよく聞いて、親が余計な口出しをしないこと。親の知っている優良企業の格付けは30年古いと認識すべき。

(息子/母親)
私自身の頃と、就活に対する考え方や進め方が全く違い、子供とのコミュニケーションが難しかった。なので、子供とよく話をし、親は邪魔にならないように暖かく見守ることが一番の応援につながるのでは?と思った。

(娘/母親)
コロナ環境で就活が変わってきているので、保護者も情報収集などが必要です。


環境・価値観の違いを受け入れ、就活サポートを!

 調査担当者であるマイナビキャリアリサーチラボ研究員・長谷川洋介(はせがわ・ようすけ)氏は調査結果を総括して次のように語る。

「今回の調査では、バブル期に就職活動を経験した保護者と、就職氷河期に就職活動を経験した保護者との間での、子どもの就職活動に対する感じ方に違いがあることが分かりました。保護者の就職活動当時の経験や価値観によっては、子どもの活動の進捗が良く見えたり悪く見えたりするかもしれませんが、『意見を押し付けてはいけない』、『親の知っている優良企業の格付けは、30年古いと認識すべき』というコメントにもあるように、保護者側が環境・価値観の違いを受け入れて、理解することが必要です。そのためには、現在の就職活動に対する情報収集をしたり、子どもとのコミュニケーションをとり理解を深めながら、就職活動のサポートを行うことが重要だと考えます」

(取材・文/大友康子)