昨日は、株式会社ディスコ(東京都文京区)の「女子学生の就職活動に関するアンケート調査」結果から、女性が出産後も仕事を続けていくことが当たり前という意識が根付いてきている現状を見た。では、就職したその後の「女性活躍推進」については、どのように考えているのだろうか?
総合職で入社した女子学生の4割は課長以上を目指す
最終的にどこまで出世したいと考えているのかを尋ねると、「特に考えていない」が最多で46.6%と半数近くを占めた。役職のなかでは「部長まで」(16.6%)、「役員まで」(10.7%)の順で希望者が多い。
職掌別で見ると、総合職で入社する予定の人では「課長以上を目指す」が4割を超えるのに対し(計40.4%)、その他の職掌ではその半分程度とどまった(計21.7%)。また、その他職掌では「出世したいと思わない」が2割強(21.6%)存在するなど、入社時のコースによって出世に対する意識が異なる。
■出世に対する考え
○会社や社会の仕組み自体を作るような仕事をしたい。(役員志望)
○私は次世代の女性のロールモデルとして、責任感をもって働く姿勢を周りに示したい。(部長志望)
○総合職で働き続けるのであればしっかりキャリアを積みたい。(部長志望)
○子育てしながらでもキャリアを築きたい。(課長志望)
○責任の重さと役職の高さは比例するため、自分の適性や耐えられるレベルを見極めてから目指したい。(未定)
自分の出世はまだわからないが、女性管理職の意図的な登用は賛成
女性の活躍推進のための女性管理職の意図的な登用について、その賛否を聞くと、「賛成」(33.2%)、「どちらかといえば賛成」(49.0%)を合わせて8割強(計 82.2%)が賛成と回答。自身の出世はまだ考えられなくても、女性管理職の増加自体は好意的に受け入れられていることがわかる。
なお、2015 年の「女性活躍推進法」成立後に実施した同調査では、賛成が6割強(計 64.5%)だったので、この 5 年で約18ポイント増えた。
■女性活躍推進に対する考え(一例)
○女性の管理職がもっと増えたら嬉しいです。
○女性管理職が少ないという課題を解決するために、無理に管理職を増やすのではなく、挑戦したい人が挑戦できる環境をつくってほしいと感じます。
多様な働き方ができるかどうかが女子学生のキャリアプランのポイント
株式会社ディスコ広報担当の吉田治(よしだ・おさむ)氏は本調査を総括して次のように語る。
「2020年までに管理職に占める女性の割合を30%にするという政府目標は達成されず、先送りされましたが、社会のあらゆる分野において女性活躍への期待は高っています。女子学生の入社後のキャリアプランとして、結婚や出産後も仕事を続ける意向の学生が多く、多様な働き方ができる制度を整えているかどうかは企業選びにおいて重要なポイントになっています」
(取材・文/大友康子)