子どものスマホの過度な利用とトラブルを防ぐための管理・対策とは?
日本では新年度を迎えてから約2カ月、この4月に学年が上がったり、中学生になるなどをきっかけに、子どもに専用のスマートフォンやタブレットを与えたご家庭も多いことだろう。
塾や習い事に関する総合情報サイト「テラコヤプラス by Ameba」 は小中学生の保護者に対し、子どものスマートフォンの過度な利用とトラブルを防ぐためにどのような管理・対策をしているのか、アンケート調査を実施した。
アンケートによると、保護者はフィルタリングの設定や利用場所の指定だけでなく、習い事を増やして端末と距離を置く時間を増やすなど、さまざまな対策を講じていることが明らかになった。その一方で、約4割の保護者が子どものスマートフォンなどを管理することに疲れを感じていると回答した。
今日と明日とで詳しく見てみよう。
【「子どものスマートフォンやタブレットの管理」アンケート調査概要】
調査期間 | 2023年3月7日~2023年3月16日 |
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調査対象 | 全国の小学生の保護者619人 |
調査方法 | インターネット |
スマホ管理、できている・できていないが半々
まずは保護者に子どものスマートフォンやタブレットの端末(以下、「スマホなど」と表記)を上手に管理できていると思うかどうかを尋ねた。
もっとも多かったのは「そう思う」で47.8%、次いで「あまりそう思わない」が40.2%。しかし、全体的には「そう思う」「とてもそう思う」(6.5%)が合わせて54.3%、「あまりそう思わない」「まったく思わない」(5.5%)も合わせて45.7%とともに半数近くおり、上手に管理“できている”と“できていない”がほぼ半々という結果であった。
約7割がフィルタリングを設定
では、保護者はどのような方法で子どものスマホなどを管理しているのだろうか。代表的な管理方法として挙げられる「フィルタリング」の設定について聞いたところ、全体では約6割(64.3%)が「設定している」と回答した。
「設定していなかったが途中から設定した」(3.4%)を選択した人もおり、そこには実際にトラブルなどに巻き込まれた例もあった。
【フィルタリングなしで起きたトラブルの実例】
- ワンクリックで課金が出来るようになっていたため、本人たちも無自覚のままサブスク登録をされていたことがあった。(小学3年生の保護者)
- 性的なマンガの広告をうっかりクリックしてしまっていた。 (小学5年生の保護者)
- 保護者の知らない間に自分でGooglePlayのカードを買ってかなりの金額を課金していた。(中学3年生の保護者)
フィルタリング設定「効果なし」の声も
フィルタリングを「設定していたがやめた」を選択した保護者も約1割(10.7%)。「制限をかけて見られないサイトが多くなり子どもが不満をもっていたから」や、「子どもがネットで検索して勝手に解除した。イタチごっこなのであきらめた」(中学3年生の保護者)という体験談が寄せられた。
また、子どものスマホなどを上手に管理“できていると思う”保護者と“できていないと思う”保護者でわけて結果を見たところ、“できていると思う”保護者の間では約7割(69.3%)、“できていないと思う”保護者の間でも約6割(58.3%)がフィルタリングを設定していることが分かった。このことから、フィルタリング以外の管理方法がポイントとなっていることが見えてきた。
保護者が子どもの利用を目で確認できる対策は有効
フィルタリング以外では、どのような方法で対策をとっているのだろうか。全体では、例えばリビングで利用などといった「利用場所の設定」(21.6%)と、「定期的な話し合い」(21.2%)がほぼ同率で1位。
しかし、子どものスマホなどを上手に管理“できていると思う”保護者と“できていないと思う”保護者に分けてみたところ、“できていると思う”保護者の対策は「利用場所の設定」(24.7%)がトップに。“できていないと思う”と答えた保護者の対策は「定期的な家族の話し合い」(23.3%)だった。
また、「ロックの番号を家族で共有」「閲覧履歴の確認」でも上手に管理“できていると思う”保護者の方が多い結果となり、親が子どものスマートフォン利用を目で見て確認できる管理方法は有効だと感じている保護者が多いようだ。
明日も調査結果の続きを見ていこう。
(取材・文/大友康子)