【特集】帰国子女とその保護者目線で見る 東大・京大・早稲田・慶應Vol.7 ~京都大学 OB・OG編~
全12回でお送りする「帰国子女とその保護者目線で見る 東大・京大・早稲田・慶応」。
前回の第6回では、「京都大学 現役生編」と称して、現在京都大学に通うHさんに、一度入学した大学から京都大学を再受験したきっかけなどを伺いました。
【特集】帰国子女とその保護者目線で見る 東大・京大・早稲田・慶応
第6回:
【特集】帰国子女とその保護者目線で見る 東大・京大・早稲田・慶應Vol.6 ~京都大学現役生編~
第7回の今回は、2012年に京都大学法学部を卒業したMさんに、大学選びのヒントや通って一番よかったことなどを伺いました。
京都大学
| 主なキャンパス | 吉田キャンパス(京都市左京区) 宇治キャンパス(京都府宇治市) 桂キャンパス(京都市西京区) |
|---|---|
| 学部総学生数(2025年) | 12,721人 |
| 男女比率概算 | 男性約78~80%、女性約20~22% |
| 志願者数(2025年)*1 | 8,077人 |
| 学部数(2025年) | 10学部 (総合人間学部、文学部、教育学部、法学部、経済学部、理学部、医学部、薬学部、工学部、農学部) |

「周りと同じ道を進まなくてもよい」と教えてくれる大学だった
現在、ある国立大学で准教授として働くHさんは、京都大学法学部の卒業生。大学選びのヒントになったのは、帰国後に通った代々木ゼミナール国際教育センターの講師からの言葉だったという。
「『変わったことをする学生に対しての許容性の高い大学が私には合うのではないか』『法学など、ひとつの専門を持つのは大事なこと』というお話に納得したことを今でもよく覚えています。加えて、総合大学であり、学部を越えて自分が学びたいことを学べると考えたことも、京都大学を選んだ理由です」(Hさん)。
入学してからは、アクティブで個性あふれる友人に囲まれて楽しく過ごしたHさん。授業では自身の研究を愛する教授たちの姿を幾度となく目にしていた。
「研究対象がどんなに世間的にマイナーなものであっても、心から楽しそうに研究の話をする先生たちの授業を受けているうちに、『周りと同じ道を進まなくてもよい。むしろ、それを面白いと思ってくれる場所や人が存在する』という事実に気づくことができました。現在、研究者の道を歩んでいるのも、そうした教授たちに感銘を受けたことがきっかけです。また当時、少し変わったテーマで研究をしたかった私からの相談を受けて、法学部のゼミ、授業のご担当であった服部高宏教授は、私の関心に合わせて輪読する文献を選定してくれました。そのときに学んだのは『自分が本当に学びたいのは法学なのだろうか?』と研究の大枠で迷ったときに、まずは自分の関心を見極め、関心のあるテーマを通して学びを深める勇気と楽しさでした」(Hさん)。
京都大学に通って一番よかったとHさんが感じるのは、やはり好きなことに打ち込む勇気を持てたこと。現在、学生たちを導くなかでもそれは活かされている。
「自由の学風」の洗礼を受けたような仲間と一緒に好きなことにのめり込む。そうした自身の経験を活かし、今は准教授として、学生にできる限り寛容に接する心を持つようにしています。学生たちにも、学びは自由であることを感じてほしいと思っています」(Hさん)。
大物になりそうな!?現役生仲間
試験期間中でもデモに参加した法学部のKさん
「現在、アメリカで研究者として活躍するKさんは、ある社会問題をどうにかしようと様々な活動をして、自分でサークルも立ち上げていました。試験期間中であろうと『明日、デモに参加してくる!』と忙しそうでした。アクティブな人はいつ何時でも制限がなく、社会を変えるには行動あるのみなのだと思わせてくれました」(Hさん)。
お話を伺った方

現役生:M・Hさん(2012年卒業)
イギリスの現地校に中3から高3まで通い、京都大学法学部を卒業。在学中は民法とドイツ法のゼミ・研究室、英語で京都をガイドするボランティアサークルに属した。また、環境保護サークルをふたりのメンバーから立ち上げた。現在は国立大学准教授。環境分野に関する研究を進めながら、教鞭をとっている。
※1・・・文部科学省「令和7年度国公立大学入学者選抜確定志願状況」(2025年度) ※3・・・大学通信「大学ごとの主な就職先」(2024年。大学により一部の学部・研究科を含まない場合がある。就職先名称は原則としてアンケート調査時点の各大学の回答による。)







