【特集】帰国子女とその保護者目線で見る 東大・京大・早稲田・慶應 Vol.12 ~帰国生入試の傾向と対策編~

おさえておきたい 「帰国生入試の傾向と対策」

海外子女向けオンライン家庭教師 EDUBAL(エデュバル)に傾向と対策を伺いました。遅くても入学1年前に志望校・学部を決めるのが基本ですが、出願時期の早い学校や学部もあるため注意が必要です。

東京大学

文科・理科から志望を選べるのが東大の帰国生入試「外国学校卒業学生特別選考」。出願は例年10月中旬から11月初旬。

【傾向】各科類の専門分野に深く関わる学術的な小論文の出題がある

「『外国学校卒業学生特別選考』の特徴として一番に挙げられるのは、各科類の専門分野に深く関わる学術的な小論文です。日本語と選択外国語(英語・独語・仏語等)で各1題、現代社会や科学に関する問いが出され、深い洞察力と論理性、知識が試されます。2025年度入試では文科二類でグラフ読解、理科三類で高度な医学知識が問われるなど、専門性が年々高まる傾向にあります」(EDUBAL)。

【対策】日本語と選択言語の両方で構成力と記述力を磨くための練習を

専門性の高い小論文の出題に備えるには何をすればいいか。
「志望科類の学問分野に関わる国内外の時事問題に触れ、多角的に分析する視点を養っておく必要があります。日本語と選択言語の両方で論理的な構成力と高い記述力を磨けるよう、小論文とEssay Writingの練習を繰り返しましょう。データ分析力が問われる科類もあるため、過去問の確認は必須です」(EDUBAL)。

京都大学

京大の帰国生入試「外国学校出身者のための 選考」を実施しているのは、経済学部と法学 部の2学部。出願は例年1月上旬。

【傾向】両学部共通の筆記試験で国内トップレベルの日本語読解力が問われる

「経済学部と法学部で選考方法が異なります。経済学部は書類での1次選考があります。出願時に『学びの設計書』という志望理由書も課され、高校時代の取り組みや大学で深めたい学びなどを具体的に記す必要があります。法学部は書類での1次選考のない、1段階選抜。筆記試験は両学部共通で、一般選抜『国語(理系)』の現代文が使われ、国内トップレベルの日本語読解力が試されます」(EDUBAL)。

【対策】それぞれの学部での目標達成のための準備と 現代文の過去問演習

「経済学部の場合は統一試験のスコアで第1次選考を突破することが目標になり、『学びの設計書』の作り込みも重要に。法学部の場合は総合評価で勝ち抜くことが目標になります。面接に備えて論理的な応答能力も高めておく必要があります。また、両学部共通の筆記試験に備えるため、京大一般選抜『国語(理系)』過去問演習による高度な日本語読解力養成が必須となります」(EDUBAL)。

早稲田大学

教育学部の「帰国生入試」や政治経済学部の「グローバル入試」など多様な制度あり。2026年度の出願は前者が6月、後者が7月だった。

【傾向】現代的で批評的なテーマが課題文で採用されるケースも

「2025年度の教育学部教育学科教育学専攻生涯教育学専修では、現代社会を論じた日本語の課題文を読み、読解力や論述力を問う形式で出題されました。近年国内で話題となっている『親ガチャ』を題材に格差社会を論じるなど、現代的で批評的なテーマが特徴となっています。課題文の論旨を正確に理解し、それに基づいて自分の考えを深める思考力が求められます」(EDUBAL)。

【対策】まずは過去問をチェック!教育学部なら社会問題の評論文に慣れることから

出願時期の早さを心に留め、第一にすべきは志望学部の過去問の確認。
「対策方法を過去問から割り出します。教育学部なら、社会問題に関する日本語の評論文を繰り返し読んで慣れ、要旨を的確に把握する訓練を。さらに課題文の主張を踏まえ、自分の意見を論理的に構成する小論文の演習を重ねることが重要となります。社会問題の語彙・知識も増やしておきましょう」(EDUBAL)。

慶應義塾大学

法学部、理工学部、経済学部、医学部で「帰国生対象入学試験」を実施している。4月入学なら出願は例年7月初旬から中旬。

【傾向】第1次選考の比重が高く、第2次選考は学部により形式が大きく異なる

総合政策学部と環境情報学部の募集は停止。「募集中の学部共通の特徴は高等学校の成績証明書、志望理由書、TOEFL®やIELTS(TM)、統一試験等のスコアなど出願書類による第1次選考の比重が高いこと。第2次選考は学部により形式が大きく異なります。法学部は社会科学概念の応用、理工学部は科学論と専門面接、経済学部はデータ分析など、非常に多彩で専門性が高くなっています」(EDUBAL)。

【対策】募集要項を熟読して出願資格を満たした上で過去問に取り組む

7月初旬からと出願時期が早いことを念頭に置いて動く必要がある。
「まずは募集要項を熟読し、TOEFL®やIELTS(TM)、統一試験で高いスコアを取得して出願資格を満たすことが最優先です。その上で志望学部の過去問をチェックし、データ分析、資料読解型小論文、面接など、学部独自の試験形式に特化した対策を早期から進めることが合格のカギになります」(EDUBAL)。