Case.1 小学校×大学
小学校で国内外の名門大学の環境にふれる
「西武学園文理小学校」では、学習意欲への向上などを目的に、国内では「東京大学」海外研修で米・英の名門校を訪問する。
海外大学訪問は英語学習にも効果あり
「西武学園文理小学校」(埼玉県狭山市)は、小学校段階から国内外の大学に積極的に出向き見学する機会を設けている。
「ハイレベルな大学を見学することで、将来ここで学んでみたいと考えるきっかけとなり、学習意欲に繋ればと考えています」と教頭の古橋敏志(ふるはし・さとし)氏は言う。
「東京大学本郷キャンパス」の見学は4年生が対象だ。案内するのは、同校系列の「西武学園文理高校」を卒業した現役の東大生など。
教育学部の教員となった同高卒業生から心理学の講義を受けることもある。
5年生では、駒場キャンパスの学園祭「駒場祭」を見学。大学キャンパスの楽しい雰囲気も味わう。
同校は1年次から徹底した英語教育を行っており、海外研修は、その成果を発揮する場となる。
5年生のイギリス短期留学では「ケンブリッジ大学」や「イートン校」「オックスフォード大学」を見学する。
「海外研修で『英語をうまく話せなかった』『もっとコミュニケーションできたら』と実感し、帰国後、英語の学習に力を入れる児童も多いようです」(古橋氏)。
2018年からは、イギリス滞在中にケンブリッジ英検も受験できるようになった。
6年生のアメリカ研修では「ハーバード大学」や「MIT」を訪問。
「MIT」では、ガラス越しに実験室や教授の研究室を見ることができ、児童たちは感激した様子だったという。
理工系の教員から最先端の科学について、レクチャーを受けたこともある。
「MITで学ぶ学生に『なぜこの大学に入ったのか』などと熱心に質問した児童もいました」と古橋氏。
小学校時代の経験を将来設計に繋げる
2018年度からは「埼玉医科大学」と連携し、同大の総合医療センター(川越市)で、医療に関する講義やドクターヘリ見学、医療体験などを行う実習をスタートさせる。
医師として同病院に勤務する文理高校の卒業生から話を聞く機会も設ける予定だ。
同校は、小学校時代の経験が、将来の進路や人生設計を考えるきっかけとなるよう期待を寄せている。
英米の名門校訪問や東大キャンパス見学も
英語は世界の人々をつなぐ共通言語だと痛感した。「ケンブリッジ大学」などを見学して、自分自身の将来について真剣に考えるようになった。(イギリス短期留学・小5女子)
アメリカ人一人ひとりが自由で生き生きしていると思った。(研修後は)積極的に英語を使うようになった。(アメリカ研修・小6男子)
普段、目にすることのないような実験器具を見てビックリした。心理学の楽しい講義を聞き、将来、心理学を勉強してみたいと思った。(東京大学本郷キャンパス見学・小4女子)