企業側も学生も、最終面接まで進めた経験が無駄にならないお得なサービス
就活において「お祈りメール」(不採用通知)が「推薦メール」に代わるという株式会社ABABA(アババ)のサービス、本日は実際の内容を見ていこう。
同サービスのユーザー企業は、お祈りメールで「あなたはうちでは採用できなかったけど、素晴らしい学生なので、弊社の最終面接まで進んだ学生としてABABAで推薦します」という趣旨の文面で、ABABAへの登録を学生に促す。
そのお祈りメールに記載されたURLから、学生がユーザー登録をすれば、その企業の最終面接まで進んだ学生としてABABA上で登録される。次に面接を担当した人事がABABA上で、その学生の面接評価を18項目の人物評価とコメントによる推薦文を任意で入力。
それが済むと、その学生がどの企業の最終面接まで進み、どこに強みがあるのか、ただなぜ採用に至らなかったのかの情報が掲載された状態で、学生一覧に表示される。
他のユーザー企業は一覧に掲載されている学生に対して採用オファーを送ることができ、1人採用するごとに成果報酬をABABAに支払うことになる。
企業は、イチから面接するよりも他社で最終面接まで進めるような優秀な学生を楽に見つけやすくなる。学生側も、最終面接まで進んだ経験が無駄にならなくなる。
また、自社で推薦した学生が他社に内定した場合、採用時に使える5万円のクーポンが支給されるので、推薦すればするほど「安く」採用もできる仕組みにもなっている。
人事担当者の「採用できなかった辛さ・悲しみ」も解決
このシステムを立ち上げた株式会社ABABA代表・久保駿貴(くぼ・しゅんき)氏は言う。
「ABABAが生まれたのは友人が抱えている課題を解決したいという、言わば『学生ファースト』なものでした。ですので、サービスを作ったはいいものの『人事(企業)にとってニーズはあるのか?』と自身でも懐疑的な部分は多くありました。人事からすれば業務的には内定者を決めればいいわけで、わざわざ不採用の方のフォローをしろだなんて、会社からは指示されてないわけですから。
ところが、ABABAのサービスを開始したところ、『私が本当に求めていたものだ!』『採用できなかったあの辛さ・悲しみを形にできるって僕からすれば本当にありがたい』と言ってくださる方が本当に多くて。
一般的に学生からすれば人事の方の印象って『倒すべき、攻略すべき敵』ってイメージだと思います。しかし、このサービスを進めるなかで、人事の方は真剣に学生の今後の将来まで考えて判断をしてるんだなと気づきました。ABABAを通してそんな素敵な人事の方に応援され、素敵な人事の方に必要とされる学生が一人でも生まれてくれたらいいなと思っています」
(取材・文/大友康子)