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人気職業ランキング100位以内に胚培養士や傭兵も(前編)

流行や世相を映す人気職業ランキング

村上龍氏のベストセラー書籍『13歳のハローワーク』の公式サイト(株式会社幻冬舎と株式会社トップアスリートが運営)は、サイトに掲載中の1034職種をアクセスユーザ数、ページビュー数などからポイント化して算出し、毎月100位までの人気職業ランキングを発表している。

ランキングをチェックしてみると、子どもたちのなかでの流行や世相、時期的な要因なども反映されていて、なかなか興味深い。記事執筆時最新であった9月のランキングを今日と明日とで見てみよう。本日は、まずは10位まで。

【「人気職業ランキング9月」調査概要】

対象 『13歳のハローワーク』公式サイト閲覧者
期間 2023年9月1~31日

2023年9月人気職業ランキングTOP10

※カッコ内は前回8月の順位

順位 前回順位 職業
1位 (1) 臨床心理士
2位 (2) プロスポーツ選手
3位 (3) 美容師
4位 (8) ユーチューバー(YouTuber)
5位 (4) 公務員(一般行政職)
6位 (6) 司書
7位 (10) 医師
8位 (5) 自然観察指導員
9位 (15) イラストレーター
10位 (7) 看護師

スクールカウンセラーの影響か? 人気1位は臨床心理士

9月の人気職業ランキング1位は臨床心理士。もちろん昔からある重要な仕事ではあるが、保護者が子どもの頃にはそれほど注目を集めてはいなかったのではないだろうか? 現在、小中学校、高等学校に配置されているスクールカウンセラーは臨床心理士であるので、そのあたりの影響だろうか。学校におけるスクールカウンセラーの重要性がひしひしと感じられるランキングだ。

2位プロスポーツ選手や3位美容師、7位医師など、保護者が子どもの頃にも人気があったと思われる職業も多々ランクインしている。

その一方で、4位のユーチューバーは保護者が子どもの頃にはなかった職業で、まさに世相を反映している。ベネッセ総合教育研究所が2020年から調査している「小学生がなりたい職業」でも、3年連続1位だという。

5位公務員・8位自然観察指導員、安定志向や自然への渇望を反映!?

5位は公務員。公務員の中でも教師ならば保護者が子どもの頃も人気職業にランクインしていただろうと思うが、一般行政職の公務員は特別注目を集めていなかったのではないだろうか? 不況が続き、子どもに安定した公務員になってほしいと思う親が多いそうだが、その影響がランキングにも反映されているのだろうか。

自然観察指導員が8位というのも少々意外。それだけ今の子どもたちは自然観察会などに参加する機会が多いということだろう。首都圏在住の子どもたちは、保護者が子どもの頃以上に自然と触れ合う機会が少なくなっており、そのため、地域や学校の行事、家族旅行の中などで自然観察会に参加し、指導員に出会い、その仕事に興味を覚えたのだろう。8月は5位とよりランキングが高いのは、夏休みに自然観察会に参加した子どもたちがより多かったからではないだろうか。

明日は11位以下の気になるところを見ていこう。

(取材・文/大友康子)