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親は、男子は高所得、女子は地元進学を期待!?(後編)

昨日は、NPO法人ハッシュタグYourChoiceProjectと株式会社ベネッセコーポレーションが行った、「性差による子どもへの進学期待の違い」の調査結果をチェックした。本日もその続きを見ていこう。

女子は保護者から地元での進学をより望まれている

「お子さまに、大学進学時に地元(親元)に残ってほしいと思いますか?」という設問に関して、男子よりも女子の方が、保護者から大学進学時に地元(親元)に残ることをより望まれていることがわかった。地方よりも首都圏の方が地元(親元)での大学進学をより望まれているという結果が出たが、その背景には、首都圏と地方の間で大学の選択肢の数に大きな差があることが推測される。

女子は男子より、保護者から資格取得を望まれている

「お子さまに、資格が必要な職業についてほしいと思いますか?」という質問に関しては、男子より女子、首都圏より地方の方が、資格が必要な職業につくことを保護者から強く望まれていることが分かった。

男子より女子の方が資格取得を望まれるのは、妊娠・出産等のライフイベントの際の復職を考慮した結果だと考えられる。だが、働き方が多様化する中で、本当に資格取得が復職のしやすさに直結するのか、他にも選択肢がないのかは検討の余地があるだろう。

医療従事者など資格があってもキャリアにブランクのある人は採用されづらいという現状(注2)もあれば、逆にIT人材などは特別な資格がなくとも復職やリモートワークなどの柔軟な働き方がしやすいといった現状(注3)もある。

また、特に地方においてより資格取得が望まれているのは、地方での職業選択肢が一次産業や医療・福祉、公務員などの資格の必要なものに偏っている(注4)といった職業ロールモデルの多様性の差の影響もあるのではないだろうか。

注2:医師はブランクがあっても復職できる? 立ちはだかる問題や復職のコツを解説
https://ishi-job.jp/blog/useful/blank/

注3:エンジニア転職市場の最新動向【2023年版】IT業界をはじめ幅広い分野で活発な採用が続く
https://www.r-agent.com/guide/article3384/

注4:資料シリーズNo.151「地域における雇用機会と就業行動」
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2015/151.html

株式会社ベネッセコーポレーションとNPO法人ハッシュタグYourChoiceProjectは、地元志向の理由や、世帯年収との関わりなどについて第2回調査を実施中で、1月までにはNPO法人ハッシュタグYourChoiceProjectサイト上で発表予定とのこと。

(取材・文/大友康子)