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就活のオンライン試験、監視の甘い企業に60%以上が不信感

不正を行わなかった学生は監視の甘い企業をどう思う?

昨日は、株式会社サーティファイ(東京都中央区)が行った「オンライン就職活動における不正行為の実態調査」をチェック。就職活動時のオンライン試験で45%の回答者が何らかのカンニングをしたことがあり、そのうちの62.5%がカンニングをした企業から内定を獲得していたことが判明した。

逆に、生成AIの利用や解答集の入手が容易になり、カンニングの手口が広く知られている状況下でも、約半数の学生が不正を行わず、正々堂々と試験に臨んでいることも注目すべき事実だ。そこで同社は、不正行為を行わず試験に臨んだ学生(2024年卒業~2026年卒業予定のWebテスト受験者のうち「不正を行わなかった」と回答した268名)に対して、その後の就職活動や企業への印象について影響を把握するため追加調査を実施した。

【『就活Webテストの不正蔓延』 が企業に与える影響の実態調査】

調査期間 2024年10月23~28日
調査方法 インターネットリサーチ
調査対象 就職活動のWebテストで不正をしなかった応募者(2024年卒業~2026年卒業予定) 
有効回答 268名

不正行為の責任が企業側にもあるとの認識が73.5%

「Webテストで不正が蔓延している責任が誰にあるか」を問うと、70%以上が企業側にも責任があると回答。そのうち「双方に責任があるが企業側が大きい」と「全ての責任は企業側にある」という回答だけで20%以上にのぼる。この結果は、オンライン試験における不正行為が学生個人だけの問題ではなく、企業側の監視の甘さに課題があると認識されていることを示している。

監視の甘い企業に対して、28%が志望度低下を明言

「Webテストの監視の甘さが志望度や不信感に影響したか」を問うと、全体の62.3%が監視の甘い企業に対して何らかの不信感を抱いたことが明らかになった。特に、21.7%が志望度を下げ、6.3%が選考辞退を検討するほどの不信感を抱いている。

不信感を抱いた結果、30%以上が友人らに拡散

「監視が甘い企業に対してどのような行動の変化があったか」を問うと、30%以上の人が家族や友人に対してや、SNS、口コミサイトなどでその企業に対するネガティブな意見を伝えたり発信したりしていた。「その企業の製品やサービスを使わなくなった」(3%)、「その後の選考を辞退した」(5.4%)、「内定をもらったが辞退した」(3%)という回答もあった。

生成AIなどの登場で不正が手軽になってきている昨今、企業側がそれを防ぐのも大変ではあるが、それによりネガティブなイメージが拡散されていくことは企業としても避けたいだろう。株式会社サーティファイは「企業は採用プロセスの透明性と公正性を強化し、不正防止に向けた取り組みを進めることで、信頼性の向上と優秀な人材確保に繋げることが求められます」としている。

(取材・文/大友康子)