豊かな自然体験は成長の糧に
自然に触れるなど様々な実体験が豊富な子どもは外向性や自己肯定感が高くなる、ということは感覚的に想像しやすい。実際、文部科学省が2020年に行った「青少年の体験活動に関する調査研究結果報告」からも、その点が明らかになっており、弊サイトでも紹介したことがある。
保護者が自然豊かな土地の出身だと、帰省時などに子どもにたっぷりと自然と触れ合う体験をさせてやることもできるだろうが、都会出身であればそうもいかない。そんな家庭でも、子どもに北海道や新潟、長野などの大自然で思い切り自然体験を味わわせてやることができるサービスがあるという。
地方再生事業を展開する株式会社キッチハイク(東京都台東区)が手掛ける「保育園留学®」だ。今日と明日とで、その実態に迫ってみよう。
家族で、自然豊かな地域でのびのびと過ごす
保育園留学®は2021年10月スタート。地域と子育て家族をつなぎ未来をつくる留学プログラムで、1週間から3週間、子どもが保育園に通いながら家族で地方暮らしを体験する。
保育時間は留学する園により異なるが、子どもは期間中、平日の朝から夕方まで保育園に通って、自然の中でのびのびと過ごす。
滞在先は一般的な住宅や宿が用意され、家具はもちろん、Wi-Fi等も完備されているので、保護者はリモートワークをこなすもよし、休暇として地域ならではの自然体験を満喫するもよし。
保育園の行き帰りに畦道や風情ある街並みを歩いたり、週末は特産品の収穫体験や、海辺の街では釣りに、雪国ではスキーに挑戦してみたり。自宅での日常とは大きく異なる、穏やかで温かな地方暮らしを体験できる。
5月初旬現在、日本国内16地域で展開
現在の受け入れは下記16地域。
- 北海道厚沢部(あっさぶちょう)町「認定こども はぜる」
- 北海道清水町「認定こども園 ぽっけ」
- 北海道上士幌(かみしほろ)町「認定こども園 ほろん」
- 新潟県南魚沼市「認定こども園 金城幼稚園・保育園」
- 新潟県佐渡市「沢根保育園」
- 富山県富山市「上滝保育園」
- 石川県七尾市「認定こども園 ひまわり」
- 石川県羽咋市「西北台保育園」
- 石川県中能登町「つくし保育園」「こすもす保育園」
- 岐阜県美濃市「認定こども園 美濃保育園」
- 長野県上田市「ISN プレスクール上田・上田原キャンパス」
- 静岡県東伊豆町「東伊豆認定こども園」
- 山梨県早川町「早川町立南保育所」
- 島根県大田市大森町「大森さくら保育園」
- 香川県東かがわ市「市立引田こども園」
- 熊本県天草市「認定こども園 もぐし海のこども園」「﨑津保育園」
今後も受け入れ地域は続々と増えていく予定という。
子育て家族を応援し、地域を持続可能にする
「保育園留学®」を展開する株式会社キッチハイクの保育園留学広報担当・福田将人(ふくだ・まさと)氏は当プログラムの企画意図を次のように述べる。
「『保育園留学®︎』は、地域と子育て家族をつなぎ、未来をつくる留学プログラムです。『どうすれば子育ても仕事もあきらめず、どちらも全力でできるだろう?』という子育て家族の気持ちと、『人口減少が進む地域が持続可能であるためにはどうすればいいか?』という地域の声が出会うことで生まれました。
お子さんにとっては、幼少期に大自然に触れ、心身ともに健やかに育つ環境を。ご両親には、働きながら、子育てしながらも多様な選択肢を。過疎地域には、子育て家族を招き、地域経済に貢献をもたらします。
『保育園留学®︎』を通じて家族にとっても、地域にとっても、よりよい未来を目指しています」
明日も保育園留学®の続きを見ていこう。
(取材・文/大友康子)