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今年の大学3年生からインターンシップが新しくなる!?(後編)

インターンシップ新定義の振り返り

昨日は、今年から「インターンシップ」の定義が変わることを紹介した。文部科学省・厚生労働省・経済産業省、3省の合意により、学生がキャリアを形成する際に企業と大学ができる取り組みを下記の4つのタイプに分類。その4つの中で、3と4がインターンシップであると定義された。

【インターンシップの新しい考え方】
(学生のキャリア形成支援に係る産学協働の取組の四つの類型)

タイプ1:オープン・カンパニー
タイプ2:キャリア教育
タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ
タイプ4:高度専門型インターンシップ(試行)

これまでインターンシップとも呼ばれていたタイプ1「オープン・カンパニー」や、企業・大学による主催で学生がキャリアについて学ぶタイプ2「キャリア教育」は、「インターンシップ」の定義からは除外された。タイプ3と4の新しく定義されたインターンシップを詳しくみると、下記の通り。

新しく定義された「インターンシップ」
汎用的能力活用型:汎用的能力(仕事をするうえで必要な「人間関係形成・社会形成能力」「自己理解・自己管理能力」「課題対応能力」「キャリアプランニング能力」)を生かして、職業体験をすること。「インターンシップをした」と認められるためには。「汎用的能力活用型」で5日間以上活動する必要がある。(タイプ3-①)
専門活用型:専門(大学で学んできた専門性)を生かして職業体験をすること。インターンシップとして認められるには2週間以上活動する必要がある。(タイプ3-②)
高度専門型:高度な専門性を有する大学院学生が対象で、長期間(2カ月以上)かつ有給の研究インターンシップ。正規の教育課程の単位科目として実施される。(タイプ4)

大学3年生の新定義の認知度をチェック

本日は、新卒の採用支援を行う株式会社ディスコのインターンシップ・就活準備サイト「キャリタス就活」による調査結果を見ていこう。調査では、現大学3年生(調査時は2年生)に対し、インターンシップの定義が新しくなったことへの認知状況や、プログラムへの参加意思などの調査を行った。

【インターンシップの新定義に関する認知度調査】

調査対象 新卒・既卒学生のためのインターンシップ・就職情報サイト「キャリタス就活」会員のうち、2025年卒業予定の大学2年生(調査当時)
調査時期 2023年2月20日~3月13日
調査方法 インターネット調査法
回答者数 301人(文系246人、理系55人)
調査機関 株式会社ディスコ キャリタスリサーチ

大学3年生の過半数、新定義を「知らない」

大学2年生の3月前後の調査時点で、インターンシップ新定義の認知状況を尋ねると、「新たに定義しなおされたことを知らない」が過半数に上り(55.5%)、定義変更の認知度は高くない(計 44.5%)。内容を「詳しく知っている」という人はわずか 3.7%。「ある程度知っている」(16.9%)を合わせても約 2割にとどまった(計 20.6%)。

定義変更による就職活動への影響は認識

インターンシップの定義が変更になったことにより、自身の就職活動に影響があるかどうかを問うと、自身の就職活動に「とても影響があると思う」が3割超(33.6%)で、「やや影響があると思う」(43.3%)を合わせると、7割強に上った(計76.9%)。

どのインターンシップに参加したい?

インターンシップとして定義され、企業が参加した学生の情報を採用広報活動に利用できるのはタイプ3「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」とタイプ4「高度専門型インターンシップ」であるが、タイプ1「オープン・カンパニー」。タイプ2「キャリア教育」もあわせ、どのタイプに参加してみたいかを尋ねた(タイプ4は大学院生対象のため割愛)。

タイプ1「オープン・カンパニー」60.1%、タイプ3-①「汎用的能力活用型インターンシップ」61.1%は、「積極的に参加したい」が6割を超えた。文理別に見ると、文系ではタイプ1が 62.6%と最多で、理系ではタイプ3-①が 72.7%と非常に高い。「タイプ3-②:専門活用型インターンシップ」は、2 週間以上と定められていることから、学業や学生生活と両立できる範囲で参加したいと考える学生が少なくないようだ。

インターンシップに参加し、仕事や企業への理解を!

株式会社ディスコ「キャリタスリサーチ」松本あゆみ(まつもと・あゆみ)氏は調査結果について次のように総括する。

「調査当時はまだ大学2年生ということもあり、新定義の認知度は高くない。実施企業でもまだきちんと理解できていないケースもあるくらいなので、これから徐々に認知が広まっていくだろう。

まずは『インターンシップ』に該当せずとも短期のものに参加して、どんな業界があるのか、どんな企業があるのかを幅広く知りたいと考える学生が多いようだ。ある程度、自分が目指す業界や企業が絞れてきたら、複数日程のものに参加して、仕事や企業への理解を深めてもらいたい」

(取材・文/大友康子)