親世代と今の子どもたちの体力・運動能力との比較をチェック
昨日の記事では、スポーツ庁が発表した2019年度の「体力・運動能力調査」の結果から、本年特にクローズアップして分析された、祖父母世代と今の子どもたちとの比較を見てみた。
この調査は前回の東京オリンピックが開催された1964年から毎年実施されている。よって、長期(50年以上)にわたって体格と体力・運動能力の相関関係について「どう変わってきたか」を見ていくことが可能だ。本日はそのあたりを見ていこう。
調査結果によると、昭和60(1985)年頃までは体格の向上に伴い、体力・運動能力も伸びていた。しかしそれ以降は体格はずっと高止まりしているが、体力・運動能力は徐々に下がってきてしまっている、という。
ボール投げは親世代の能力が断然上、そのほかも親世代が高水準
昭和60年から現在に至るまでの、ソフトボール投げ・ハンドボール投げの年次推移を表したのが上記グラフ。7・9・11・13・16・19歳いずれの年代も、昭和60年をピークに数値が下がり続けてしまっている。
ボール投げは特に低下傾向が顕著な項目ではあるのだが、握力・50m走・持久走・立ち幅とびについても、やはり昭和60年頃のほうが水準が高い。
子どもの体力・運動能力を高めたいなら、幼児期に思いきり外遊びを!
昨日、本日と見てきた、この調査結果は少々残念というほかない。では、どうすれば体力・運動能力が高まるのか? ひとつの答えとなりそうな事柄が調査結果内に見てとれた。
上記グラフは10歳時点の体力テストの合計点を、就学前に1週間のうち何日間外遊びををしていたか、の状況別に示したもの。男女ともに、小学校入学前に外遊びをしていた日数が多い群ほど合計点が高くなっている。
このことから、幼児期に外で体を動かして遊ぶ習慣を身につけることが体力・運動能力の向上につながる要因のひとつになっている、と十分考えられる。幼児期のお子さんがいらっしゃるようであれば、ぜひともたくさんの外遊びをお勧めしたい。
(取材・文/大友康子)