今年度からの大学入試が変わることは知ってはいるが、その対策はほとんどできていない
株式会社CyberOwl(サイバーアウル/東京都渋谷区)が運営する習いごと・学習塾情報メディア「テラコヤプラス by Ameba」は10月、日本全国の高校2・3年生をもつ保護者175人を対象に新しい大学入試制度についてのアンケート調査を実施した。
その結果、「2020年度から大学入試の仕組みが一部変更になることを知っていますか?」という質問に対して、「知っている」「なんとなく知っている」と回答したのは91%にあたる159人となった。
しかし、大学入試制度が変更になることを知っている159人に「新制度に対して対策をしていますか?」と質問したところ「している」と回答したのは約25%にあたる37人だった。
新制度に向けて対策している人は何をしている?
新制度への対策として具体的に何をしているかを聞いてみると、英検に関する回答ばかりが目立った。
回答の一例
- 英検の取得や作文をかかせるなどの記述問題対策を重点的に行っています/国立大学志望の高校2年生の保護者
- 英検は2年生のうちに最低でも2級は取得を目指しています/私立大学(AO入試)志望の高校2年生の保護者
- 英検を必ず受けています。新制度により一般受験合格が厳しくなると思うので、AOで受験することにしました/私立大学(AO入試志望)の高校3年生の保護者
確かに、今年度の大学入試では、中央大学や明治大学などの有名大学が、大学入学試験の英語科目に英検を利用すると発表しており、英検対策も大事ではある。しかしながら、新制度において外部試験活用は頓挫しているのが現状で、かつ、東京大学が活用しないと宣言したことにより追随する動きもあり、新制度への対策が英検だけでは決して十分とは言いきれない。
また、回答例自体、新制度対策というより、「新制度の一般入試は大変だからAOにしよう」という発想であり、実際は新制度への対策の回答になっていないものも多い。それだけ、新制度への対策に苦慮している、ということだろう。
明日は、新制度はどんなことが変更になるのかと、保護者たちのその認知度を見てみよう。
(取材・文/大友康子)