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独学で東大合格した社長厳選、小学生の国語力を上げるマンガ(後編)

人気マンガから「本心」と「建前」も学べる

子どもが学びを深めるうえで、読解力や表現力を培っておくことは大切だ。すべての科目の成績に影響するのが日本語力=国語だといえる。その国語力を高めるのにマンガが役立つとして、完全独学で東大合格した神田直樹氏が<国語力を上げる小学生向けマンガ10選>をコメント付きで発表した。神田氏は、国語に特化したオンライン個別指導塾「ヨミサマ。」を運営する株式会社Overfocusの創業社長だ。昨日の記事(前半)で5冊目までを紹介したので、今日は続きを見ていこう。

<国語力を上げる小学生向けマンガ10選>(後半)

6)『SPY×FAMILY』(遠藤達哉/集英社)

<独学で東大合格! 神田氏コメント>
老若男女問わず人気の漫画『SPY×FAMILY』も、実は国語力を上げるのにうってつけの作品です。主人公格の3名のキャラクターは、自分自身の正体や思惑を隠しながらも家族であることを演じ続けているため、随所に「ウソ」や「ごまかし」の表現が出てきます。このような「本心」と「建前」の使い分けやうらはらさを理解することで、国語力は格段に向上します。

7)『カナカナ』(西森博之/小学館)

<独学で東大合格! 神田氏コメント>
『SPY×FAMILY』に似ている作品でもう一つおすすめなのがこの『カナカナ』です。主人公の少女が人の心を読める能力をもっている、という点において両者は共通しているため、同様に本心と建前の使い分けを学べます。『カナカナ』の方が主人公が大人びているために、「気遣い」などができる側面があり、よりレベルの高いやりとりを見ながら学ぶことができます。

8)『3月のライオン』(羽海野チカ/白泉社)

<独学で東大合格! 神田氏コメント>
表現が繊細かつ文学的であるため、良質な物語文を読んでいる以上の学びを得ることができます。感情とは真逆なことを口に出すなど、細かい読み取りを読者に期待するようなシーンも多くあるため、丁寧に読んでいくという経験を積むことができます。本に載っている文章だとついつい「目が滑る」人にとっては、『3月のライオン』などで丁寧な読み取りを学んでいくのがおすすめです。

9)『僕のヒーローアカデミア』(堀越耕平/集英社)

<独学で東大合格! 神田氏コメント>
国語の試験において問われる可能性の高い「心情の変化」について学べる作品です。登場人物が、様々なできごとをきっかけに、ヒーロー観を変化させていく様子が描かれており、そのような変化に注目できる作品になっています。

何人ものヒーロー候補生が出てくるため、それぞれのキャラクターから様々なことを学べますが、特に「爆豪勝己」「トガヒミコ」の2人に注目していくと学びになると思います。

10)『神の雫』(亜樹直/講談社)

<独学で東大合格! 神田氏コメント>
ワインをテーマにした『神の雫』は、私にとっても思い出深い作品です。小学生のころから、語彙が大人びていることに定評があった私ですが、その語彙の多くは、小学5年生のときに読んでいたこの『神の雫』から手に入れたものです。

ひとつひとつのワインを詩のような文章で表現することを主軸とした漫画であるため、文学的な表現をかなり自然な形で身につけることができます。比喩表現や詩を理解するのにうってつけの作品です。

国語力が伸びる「マンガ」の力

神田氏は、自身の経験からマンガが国語力向上に寄与すると考えており、個別指導の中にも取り入れている。そのポイントとして、「マンガは視覚的要素とストーリー性が融合しており、子どもたちが楽しく読み進める中で自然と語彙力や読解力が養われます」と述べている。

「ヨミサマ。」の授業では、「SPY×FAMILY」や「僕のヒーローアカデミ」、「ひゃくえむ。」を採用し、通常の読解問題と同様、解釈が難しい部分の意味を生徒が説明する問題として活用している。マンガ特有の「コマ割り」や「表情」などの要素も判断の基準としているため、通常の文章を用いた問題よりも難易度が高いと考えているという。

神田氏が選んだ10選は、大人から子どもまで楽しめる人気の作品ばかりなので、親子で一緒に楽しむのもよいだろう。

<神田直樹氏プロフィール>
高校にも塾にも通わず、完全独学で東大トップクラス合格を成し遂げる。学生期には、沖縄県石垣島や高知県で東大合格を目指す高校生を支援するプログラムを立ち上げる。卒業後はMcKinsey & Companyに入社。退社後、自身の学習経験と論理的思考術を活かし、小中高生向け学習コーチングのOverfocusを立ち上げる。