「生成AIがあれば勉強する必要はない?」に回答は?

子どもたちと生成AI利用の現状を調査

近年、急速に普及が進んでいる「生成AI(人工知能)」。生成AIは、インターネット上にある膨大な情報を学習し、それらをもとに新しいコンテンツ(文章や画像、動画、音楽など)を自律的に作り出すものです。利用者が知りたいことに回答してくれたり、翻訳してくれたり、思いつかないようなコンテンツを作ってくれるので、あらゆる分野で活用され始めています。一方で、情報が間違っていたり、著作権侵害にあたることもあるなど、さまざまな問題もあります。

ともあれ、生成AIは私たちの生活と切り離せなくなっており、子どもたちも例外ではありません。実際に今の子どもたちは生成AIとどうつきあっているのか、小・中・高等学校向けの教科書を発行する光村図書出版株式会社がアンケート調査を実施したので、その内容を一部紹介します。

調査は「第5回 子どもの「好き」に関するアンケート調査」(テーマ;生成AIの使用)で、小学生347名・中学生171名を対象に行われました。

学校の授業より日常生活で使っている子どもが多い

「お子さまは、学校の授業の中で、生成AIを使ったことがありますか。(単数回答)」という質問には、全体では、「ある」が25.5%、「ない」が74.5%となり、生成AIを使ったことがない子どもが多数を占めました。 小学生と中学生を比較すると、「ある」と回答した割合は中学生のほうが高く、その差は16.1ptでした(小学生20.2%、中学生36.3%)。

また、「お子さまは、学校以外の日常生活の中で、生成AIを使ったことがありますか。(単数回答)」という質問には、全体では、「ある」が35.9%、「ない」が64.1%という結果でした。「学校の授業の中での使用状況」と比べると、日常生活の「ある」の回答のほうが、10.4pt高い結果となりました。

小学生と中学生を比較すると、「ある」と回答した割合は小学生が31.1%、中学生が45.6%となり、中学生の約半数が日常生活の中でAIを使用していることがわかりました。

「好きなことやわからないことを調べる」ために使うが最多

「お子さまは、学習(学校での学習/家庭での学習)の中で、普段、どんな目的のために生成AIを使っていますか。(複数回答)」という質問には、全体では、「学校での学習」、「家庭での学習」のいずれにおいても、「好きなことやわからないことについて調べる」が約7割で1位でした。

2位以降は、「学校」と「家庭」で異なる結果に。「学校での学習」では、2位が「たくさんの情報の中から重要な内容を選ぶ」(22.7%)、3位が「自分で書いた文章や発表原稿などに対してアドバイスをもらう」(21.2%)でした。「家庭での学習」では、2位が「雑談をする」(19.0%)、3位が「悩みごとの相談をする」(18.4%)でした。

また、「お子さまは、学習(学校での学習も家庭学習も含める)の中で生成AIを使うことで、自分の能力が伸びそうだと思いますか。(単数回答)」という質問には、「わからない」が50.6%と最も多く、「そう思う」は29.2%となり、「そう思わない」の20.3%を8.9pt上回りました。

「生成AIがあれば勉強する必要はない?」に約半数が「思わない」

「お子さまは、生成AIがあれば、これから勉強していく必要がなくなっていくと思いますか。(単数回答)」という質問には、「そう思わない」が45.8%と半数近くなり、「そう思う」の20.1%を25.7pt上回りました。

雑談相手は生成AIより身近な人がいい

「お子さまが、生成AIにしてもらうよりも、先生・友達や家族など人間と一緒にするほうが好きだと思うことをすべて選んでください。(複数回答)」という質問には、全体では、「雑談をする」(44.2%)が最も多く、次いで「好きなことやわからないことについて調べる」(41.3%)、「悩みごとの相談をする」(34.9%)と続いています。

小・中学生別では、上位3項目は全体と同じで、小学生の4位は「絵や音楽をつくる」(24.2%)、中学生の4位は「自分で書いた文章や発表原稿などに対してアドバイスをもらう」(21.1%)となりました。

※調査結果の全体はこちら
https://www.mitsumura-tosho.co.jp/download_file/25e5d215-78a4-4bcd-8807-855e74857218/9

光村図書出版の広報部によると、生成AIに関する調査は今回が初めてとのこと。また、アンケート結果については、「客観的なデータを皆様に提供し、子どもたちの“いま”に目を向けていただくことを主な目的としており、その結果をどのようにとらえるかは、一人一人のご判断にお任せしたいと考えています」と回答をいただきました。

生成AIは筆者を含めてよくわかっていない保護者も多いと思いますが、日々進化しており、おそらく子どもたちの利用はさらに広がることでしょう。子どもたちが楽しく便利に有効に活用できるよう、その安全性と問題点を大人が(理解して考えていかなければならないと思いました。

■ 調査概要

調査名:第5回 子どもの「好き」に関するアンケート調査(テーマ:生成AIの使用)
対象者:全国の小・中学校に通う児童・生徒(児童・生徒本人に聞き取り、保護者が回答)
調査方法:インターネット調査
調査期間:2026年1月7日~1月9日
回答数:518名(小学生347名 中学生171名)

(取材・文/中山恵子)