関西&中国エリア(京都・大阪・滋賀・兵庫・和歌山・岡山・広島)
1位 以前に増して、私学志向が高まった
近畿2府4県(大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県)の私立中学校の受験者数は約17,000名となり、昨年より400名ほど増加した。特に兵庫県を中心に受験者数が増えており、その中学受験率は9.51%。2014年から5年連続の上昇となっている。
2位 女子の受験者数増加が目立った
兵庫県では入試初日の受験者数が昨年度比で321名増加したが、その多くが女子で、「女子の受験者数増加」というのが今年度の大きな特徴となった。また、女子校の受験者総数はほぼ横ばいだが、「白陵」や「啓明学院」など多くの共学校で女子の受験者数が増えた。
3位 女子の志望の偏りで極端な人気校出現
女子の志望動向による影響を主な理由として、例年より一部の学校に極端に受験者が集まる傾向が出現。受験者数が大きく増えた学校は、兵庫県で「神戸海星女子学院」、「神戸国際」、「白陵」、「須磨学園」、「啓明学院」、大阪府では「帝塚山学院」、京都府では「同志社女子」。
4位 超短期決戦で挑むのがスタンダードに
ここ数年で「午後入試」を実施する学校が増えた結果、昨年同様、入試初日と2日目の日程での受験が集中。初日と2日目で少なくとも3回受験するのがスタンダード化した。3日目は出願済でも結果次第で受験しないケースもあり、実質2日間の超短期決戦となっている。
5位 「関関同立」系属校人気が加速
昨年受験者数が増えた関西大学系属3校は微減だったが、関学系列の「啓明学院」「関西学院」「関西学院千里国際」と、立命館系列の「立命館」「立命館宇治」「立命館守山」が大幅に受験者数を増やした。「同志社香里」と「同志社女子」も増加した。
6位 男子最難関校人気は依然高し
ここ数年、受験者数が増加傾向にあった「灘」「東大寺学園」は少し落ち着いた。昨年増加した「甲陽学院」はその反動からか少し減少。「大阪星光学院」は昨年に続き微増。学校単位で見ると受験者数は微増減となるが、いずれも高倍率をキープし高い人気を保っている。
7位 「英語受験」が定着
中学入試に「英語」の科目試験を導入する学校が増加傾向となった。「松陰」「梅花」「アサンプション国際」などでは英語をメインとした入試を行い、いずれも受験者の数を増やした。「英語受験」という中学受験の新しいかたちが徐々に関西エリアに浸透している。
8位 適性検査型入試の導入校が増加
「適性検査型入試」の導入する学校が増加。同入試を行った「親和」では、昨年度比19名増加の298名が受験。その多くは国立の「神戸大学附属」を併願した。また、受験者数が倍増した「立命館守山」でも公立中高一貫校の「県立守山」との併願が多数見られた。
9位 公立中高一貫の一部で人気校出現
受験者数の減少が続く公立中高一貫校だが、京都府の「西京高校附属」で受験者数が増加。「洛北高校附属」も高い人気をキープした。2019年春開校の「水都国際」は500名超の受験者を集めた(私学との併願率低し)。新しいタイプの学校とあって注目を浴びた。
10位 今後も続く傾向として注目
今回中学入試を受けた小学6年生たちは2020年度から段階的に開始される新しい大学入試に完全移行する初年度に、大学入試を迎える学年だ。その不透明さゆえか、女子を含めて私学志向が強まり、大学の系属校の人気が加速した。この傾向は今後数年続くと思われる。