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採用面接は、練習も本番もAIがする時代!?(後編)

書類選考から一次面接を担当する「AI面接官」

昨日はAIを活用した就活の面接対策アプリ「カチメン!」をご紹介した。「いつでもどこでも気軽に面接練習できる」と就活生に好評で、練習の難しい面接対策としてなかなか有効であるように思えた。さらに、面接の本番でもAI面接官が登場している。

スタートアップ企業の株式会社VARIETAS(バリエタス/東京都世田谷区)は、書類選考から一次面接を担当する「AI面接官」を開発。本年から新卒採用において提供を開始した。

AI面接官は人の6倍の観点での評価が可能

「AI面接官」は、人が一般的な面接で見ることのできる約6倍の観点で評価を行えるという。それにより、面接慣れしていない学生の隠れがちな利点を見出したり、ある項目に秀でている学生を見逃さずに初期選考を行える。

また、人の面接官と変わらない対話形式により、学生のポテンシャル・実力をしっかり評価する。就活生が企業に出向く必要もないので、どこに住んでいても、24時間いつでも面接を受けられることも利点だ。

面接をテスト受験した学生の満足度95%

企業への提供開始の前にテスト版として学生に提供したところ、学生満足度は95%に達し、以下のような声が寄せられたという。

  • AI面接であれば恥ずかしさもないから、自分らしく立ち振る舞いができたと感じる(立命館アジア太平洋大学 Y.Hさん)
  • 話した内容をAIが解析して新たな質問をしてくる点は興味深かった(マンチェスター大学 M.Kさん)
  • AIが平等な基準で評価してくれるので、選考プロセスにあったら嬉しいと思う(大阪経済大学 K.Tさん)
  • 面接の質問もすべてESに沿ったものとなっており、自分がどの質問が得意でどの質問が苦手かに着いてはっきりと理解することができた(国際教養大学 S.Hさん)
  • 結果レポートでは話した詳細にまで触れられており、大変参考になった(大阪大学 M.Tさん)

選考終了(不採用)の場合は学生に「お祈りメール」が届くが、AI面接官では選考続行でも終了でも、学生向けフィードバックが届く。AIだからこそアウトプットできるその学生の良さ、さらなる改善ポイントなどが丁寧にフィードバックされるので、学生の満足度が高いわけだ。先月紹介した「就活川柳・短歌」の中に、「祈るなら せめて助言 添えとくれ」という川柳があったが、まさに助言が添えられてくるのだ。

海外に住んでいても手軽に面接を受けられる

書類も面接も、”人”が対応する場合はどうしても、人による観点の差が生じしてしまう。AI面接官ならば一貫性のある評価ができ、性別・年齢・人種などの偏見を排除し、公平な評価をすることが可能だ。就活生が企業に出向く必要もないので、国内の地方はもちろん、海外に住んでいても、24時間いつでも面接を受けられることも利点だ。

”心”のない対応が心配では? と思ったが、どうしてどうして、「AI面接官」も意外とよさそうだ。

(取材・文/大友康子)