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採用面接は、練習も本番もAIがする時代!?(前編)

面接の練習ができる専用アプリ「カチメン!」

先週紹介した「採用川柳・短歌」にて、優秀作品のひとつとして「耳につく 志望動機は みな同じ AI聞いても また同じ」と詠まれたAI。エントリーシートや志望動機を作成する際の手助けとしてAIを活用する就活生も増えてきているようだが、いよいよ面接にもAIが使用されるようになってきたようだ。

社会や産業のデジタルイノベーションに取り組む株式会社シーエーシー(東京都中央区)は、表情や感情を分析するAI(以下、表情感情分析AI)と音声や感情を解析するAI(以下、音声感情解析AI)を活用し、就活などの面接の練習や改善・対策ができる新・面接対策専用アプリ「カチメン!」を2023年10月末に配信開始。就活生や転職者を中心に順調にダウンロード数を増やし、配信開始から約9カ月の7月末時点で、累計1万ダウンロードを突破したという。

※9月末時点、iOS版(App Store)のみ。今後Android版アプリを提供するべく準備中。

スマホ片手に模擬面接練習

面接対策として、練習場所や相手、適切なフィードバックを確保するのはなかなか難しい。

「カチメン!」は、仮想面接官(実在の男性または女性の動画)を相手に実際に面接を受けているような画面で練習できたり、企業に送付する選考用動画を分析してもらえたりするほか、「表情トレーニング」「音声トレーニング」などの機能を備える。そして、表情感情分析AIと音声感情解析AIが面接練習時の感情(表情や印象)、話し方などを高精度に解析し、客観的に改善点をフィードバックしてくれるという。

いつでも、どこでも手軽に面接練習

アプリを利用した人たちからは下記のような声が寄せられている。

「人に頼らなくてよいので、いつでもどこでも手軽にできるところが良いと思った」(公務員志望 2023年卒 男性)
「実践を想定した練習を行えると感じた」(IT営業志望 2023年卒 男性)
「緊張せずに練習でき、表情に対する意識も高まった」(IT業界勤務 男性)
「表情だけでなく、話した内容についても点数が出るのが良いと思った」(ソフトウェア業界勤務 女性)

子どもの就活に際し、親が練習相手になってやれればよいが、仕事として人事業務を担当しているのでもなければなかなか厳しいだろうし、親子ともども照れてしまって難しい面もあるだろう。AIでの面接対策はなかなかよさそうだ。

練習は良いとは思うが、まもなく実際の企業の採用活動の中でもAI面接官が活躍するかもしれないようだ。明日はそのあたりを見ていくことにしよう。

(取材・文/大友康子)